公正証書遺言に記載された不動産が遺言者の亡父名義…相続するには?【遺言書記載の不動産が先代名義のため遺産分割協議が必要なケース】

遺言公正証書があるが、不動産が故人の亡き父の名義…どうしたらいい?
遺言公正証書があるが、不動産が故人の亡き父の名義…どうしたらいい?

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

ご相談前の状況

お兄様が亡くなられた方からのご相談。

配偶者に先立たれ、子供もいないため相続人は兄弟姉妹と甥姪たち。

故人は公正証書遺言を遺しており、遺言書に従い相続手続きを行うことを考えているとのこと。

ただ、遺言書に記載されている不動産の一つが遺言者の亡父名義になっているため、どのような手続きが必要になるのか確認したいという事で相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 不動産の名義が遺言者と異なる場合、遺言書のみでは相続登記ができない。
  • 登記名義人が亡くなっている場合、遺言書や遺産分割協議の有無について確認する必要がある。
  • 遺言書が無く、遺産分割協議もされていない場合、相続人全員で改めて遺産分割協議を行う必要がある。
  • 登記名義人の死亡から時間が経っており、二次相続・三次相続の発生により戸籍の収集や相続関係の確定作業が難航する恐れがある。
  • 二次相続・三次相続が発生している場合、疎遠な相続人や面識のない相続人に連絡を取らなくてはならない可能性がある。

当事務所からのご提案

亡くなった方が遺言書を遺していた場合、基本的には遺言書に従い相続することになります。

ただし、遺言書を使って手続きできるのは遺言者名義の財産のみで、名義が異なる財産については、遺言書に加えて別途書面を提出するなどの対応が必要になります。

このケースでは、遺言書の不動産の記載末尾に「遺言者の亡父名義・遺言者の持分すべて」と記載されており、亡父の死亡後に相続登記がされていない状態で遺言書が作成されたものと思われました。

この場合、亡父に関する遺言書や遺産分割協議書があれば、故人名義への相続登記を経た上で遺言書に従い相続することができます。

一方で、遺言書の記載から、亡父に関する遺産分割協議は未だにされていない可能性も考えられました。

ご相談者様に確認したところ、父は30年以上前に亡くなっており、当時の書類は残っておらず、不動産について何か話があったかどうかもあまり覚えていないとのことでした。

遺言書が無く、遺産分割協議が未了であれば、相続人全員が参加し、改めて亡父の不動産に関する遺産分割協議を行う必要があります。

そのためには戸籍を収集して現在の相続関係を確認しなくてはなりませんが、30年の間に当時の相続人が亡くなり相続関係が複雑化していることが予想されました。

そこで、当事務所で亡父の現在の相続人を確定するために戸籍収集を行い、その後の遺産分割協議や相続登記を踏含めてサポートさせていただくことになりました。

このように解決しました

  • 二次相続、三次相続含め膨大な量の戸籍を収集し、相続人を確定することができました。
  • 調査の結果判明した現在の相続人は10人でしたが、幸いにもご相談者様の方で連絡を取れる方だったので、一人ずつ連絡を取り、話し合いをしていただくことになりました。
  • 物件の近くに住む相続人が取得することで話がまとまったため、当事務所で遺産分割協議書を作成して、各相続人から署名捺印をいただくよう手配しました。
  • その他の必要書類も揃え、法務局に相続登記申請を行い、無事に名義変更が完了しました。

担当者からのコメント

2024年4月1日の相続登記義務化以前は、相続登記をせずに長年放置しても罰則がありませんでした。

そのため、亡くなった方の不動産を調べたところ、すでに死亡している先代や先々代名義のままだったと判明することは珍しくありません。

とは言え、本件のように公正証書遺言に記載されている不動産が遺言者名義ではないケースは稀です。

遺言書作成時点で亡父の死亡から10年以上経っており、当時公証人から相続登記を行っておくことを促されたかもしれませんが、結果的にさらに20年以上放置されていたことになります。

もし当時相続登記を行っておけば、手間や費用をそれほどかけずに済んだでしょう。

それでもこのケースでは、相続人全員とすぐ連絡が取れ、すんなりと話がまとまったのでましな方です。

もしも連絡が取れない相続人や手続きに協力してくれない相続人がいたら、桁違いの労力と費用がかかったことでしょう。

相続登記をしないことによるリスクは時間が経てば経つほど大きくなってしまいます。

次の世代に迷惑をかけないためにも、相続が発生したらすみやかに司法書士に相談するなどして、登記を完了させましょう。

当事務所では、長期間放置してしまったため関係者が20人以上になってしまったケースなど、相続人が多数の相続登記・相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。
ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。

相続登記サポートについてくわしくはこちら

相続登記をしないことによるデメリットについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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