夫が急逝、疎遠な義両親との話し合い中に弁護士が…【疎遠な義父母との協議中に弁護士が介入してきたケース】

穏便に話し合いしようと思っていたのに、弁護士が介入してきた!

穏便に話し合いしようと思っていたのに、弁護士が介入してきた!

ご相談前の状況

急逝されたご主人様について、奥様からのご相談。

ご夫妻にはお子様がいないため、相続人は妻と父母。

義両親とはあまり交流がなく、相続について話をしなければならないが、今後のやり取りや手続きの進め方に不安があるということで相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 相続手続きを行うにあたり、疎遠な義父母と遺産の分け方について話し合う必要がある。
  • 公平な遺産分割のため、財産調査をしっかり行い、財産目録を作成して開示する必要がある。
  • 不動産の名義変更や預貯金の分配等の手続きは公平な第三者に任せたい。
  • 配偶者を亡くし、今後の生活が不安なので、できれば多めに相続させてもらいたい。

当事務所からのご提案

お子様がいない夫婦に相続が発生すると、配偶者と共に存命の父母が相続人になります。

たとえ自分が亡くなった後の財産はすべて配偶者に残すつもりでいたとしても、遺言書がなければ残された配偶者と義両親の間で話し合いが必要になります。

また、預貯金口座の解約などの相続手続きを進めるにあたり、どこかで義両親の同意が必要になります。

配偶者と父母の関係性によっては、大変な負担となることは想像に難くないでしょう。

このケースでは、義両親とはあまり交流がなく、手続きの進め方やご自身でやり取りすることに大きな不安を感じていらっしゃいました。

そこで、当事務所で 義父母様に連絡を取り、相続手続きについてご説明の上、円滑に遺産分割の話し合いをしていただくためのサポートを行うことを提案しました。

また、公平な話し合いのためには、財産の詳細を当事者全員が把握しておくべきです。

そこで、当事務所で財産調査並びに財産目録の作成・開示を行い、公平な話し合いに向けての準備をさせていただくことになりました。

法定相続分より多く相続させてもらうことはできる?

今回、ご相談者様は今後の生活に不安があるため、できれば法定相続分より多めに相続させてほしいとの希望をお持ちでした。

この点、相続人全員が同意すれば、特定の方が多く財産を相続することは可能です。

しかし、話がこじれて遺産分割調停や審判になってしまうと、法定相続どおりの分け方になってしまうことがほとんどです。(相続人による財産の使い込み等の特別な事情がある場合は除く。)

費用や労力をかけたにも関わらず、ご自身の取り分がまったく増えない可能性があるため、「自分の希望を必ず通す」ことにこだわりすぎるのは良策とは言えません。

そこで、ご相談者様に対して、ご自身から義父母様にお願いしてみてもいいと思うが、相手が受け入れない場合は法定相続で分けることを想定していただくよう説明し、了承していただきました。

相手方が弁護士を立ててきた…こちらも弁護士を立てる必要がある?

ご依頼をいただいた後、まずは戸籍収集や財産調査を行い、財産目録の作成・開示のための準備を進めました。

ところが、調査も終わり、相手方へのご連絡の準備をしていた矢先、ご依頼者様から「今回の遺産分割について義両親が弁護士を立てた」との連絡がありました。

相続人間の紛争解決については、弁護士法の規定により弁護士以外は業とすることができません。

弁護士からはとりあえず遺産の目録を開示してほしいとの連絡があったということでしたが、今後相続人間の紛争に発展する可能性が高まったため、ご依頼者様に説明の上、一担当事務所としては辞任させていただくことになりました。

辞任にあたり、当事務所で取得した戸籍や財産の資料、当事務所が作成した財産目録はお客様にお渡しして、ご自身で開示していただくようご案内いたしました。

当初ご依頼者様は、相手方が弁護士を立てた以上こちらも弁護士を立てなければいけないのではとのお考えもあったようです。

しかし、先の当事務所からの説明により法定相続で分けることには納得しており、また、弁護士に依頼した場合の費用も気になることから、まずはご自身で話してみると決められました。

また、不動産の名義変更や預貯金の解約手続きについては当事務所に依頼したいとのご意向だったため、相手方と合意できた場合は改めてご連絡いただくようご案内いたしました。

このように解決しました

  • 戸籍収集や財産の調査を行い、今後の手続きに必要な書類を収集しました。
  • 調査結果をもとに財産目録を作成し、ご依頼者様にお引渡ししました。
  • ご依頼者様と相手方の話し合いの結果、法定相続ベースで分けることでまとまったため、その後の相続手続きについて改めてご依頼をいただきました。
  • 相手方弁護士とも連絡を取り、相続預金の解約および分配、株式等の移管、不動産の名義変更など、必要な手続きを代行し、滞りなく完了しました。

担当者からのコメント

お子様がいないご夫婦で配偶者が亡くなると、このケースのように義両親が存命であれば、遺産分割の話し合いが必要になります。

 その際、法定相続分より多くの財産を相続させて欲しいと考える配偶者の方もいらっしゃいますが、現実的にはこのケースのように法定相続での分割となることが多いです。

また、相続人同士の関係性が微妙なケースでは、こちらに争う気がなくても相手方が弁護士を立ててくることもあります。

このケースのように自分で交渉した結果、妥当な内容でまとまることもありますが、交渉のプロである弁護士にやり込められ、本来必要のない譲歩をしてしまう可能性は否定できません。

一方でこちらも弁護士を立てるとなると、最終的に自分の取り分は増えない(法定相続どおり)にも関わらず、高額の弁護士費用は負担しなくてはならないということもありえます。

自分がいなくなった後に残された妻・夫が、トラブルに巻き込まれるのは避けたい、とお考えであれば、お子様がいないご夫婦は、必ず遺言書を書いておきましょう。

少なくとも35歳以上のご夫婦については、万が一の場合に備えて、夫婦がお互いに相続させる内容の「夫婦相互遺言」をすぐにでも作成しておくべきです。

当事務所では、お子様がいないご夫婦の相続手続きや相続対策・遺言書作成について、数多くのご相談・サポートの実績があります。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

相続まるごとおまかせプランについてくわしくはこちら

疎遠な相続人がいる場合の相続手続きについてはこちらの記事をご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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