外国に帰化した相続人が行方不明に…相続手続きはどう進める?【外国に帰化した相続人が行方不明のケース】

相続人の一人が外国で帰化し、行方不明に…相続手続きはどうする?

ご相談前の状況

お父様が亡くなられた方からのご相談。

相続人はお子様3人。

相続人の一人であるご相談者様の兄は10年ほど前に海外に渡航し、そのまま渡航先で帰化されたとのこと。

兄と最後に会話したのは数年前で、死亡したことを知らせようとしても連絡がつかないという状況で、今後相続手続きをどう進めればいいかわからず、途方に暮れて相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 遺産分割協議や預金解約等の相続手続きには、原則として相続人全員の同意が必要。
  • 相続人の中に行方不明の方がいる場合、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらう必要がある。
  • 不在者財産管理人の選任申立ての前提として、通常は行方不明者届を出すが、海外在住者の場合について対応を確認する必要がある。
  • 公平な遺産分割のため、相続財産の調査をきちんと行う必要がある。

当事務所からのご提案

亡くなった方が遺言書を残していなかった場合、預貯金や不動産の解約・名義変更手続きを進めるにあたっては、前提として相続人全員による遺産分割協議を行う必要があります。

行方不明の方がいるからと言って、その方を除外して協議を成立させるというわけにはいきません。

このような場合、行方不明者に代わって「不在者財産管理人」という代理人が遺産分割協議や相続手続きに参加することになります。

不在者財産管理人は家庭裁判所に申立てを行って選任してもらう必要があります。

また、不在者財産管理人選任の申立てを行うにあたっては、行方不明者の財産について目録を作成し、裁判所に開示する必要があります。

今回、行方不明者自身は日本国内に財産は持っていないと思われたものの、亡くなったお父様の遺産分割が必要なため、遺産についても本人の財産に含まれることになります。

そこで当事務所で、まずは相続関係調査のために戸籍を収集するとともに、故人の預貯金等の財産を調査して、家庭裁判所への申立ての準備を整えることを提案しました。

行方不明者が外国籍の場合、行方不明者届は出せる?

このケースでは、行方不明者が外国に帰化していることで一つ問題がありました。

通常、不在者財産管理人選任申立ての際は、前提として警察に「行方不明者届(旧捜索願)」を出す必要があります。

また、海外在住者の場合は、外務省に「所在調査」の依頼をして連絡先等を確認する必要があります。

■所在調査とは
海外に在留している可能性が高く、長期(概ね半年以上)にわたってその所在が確認されていない日本人の連絡先等を確認する行政サービス。
三親等内の親族から外務省へ依頼することで、在外公館(現地の日本領事館など)が保有する資料を基に本人へ連絡し、連絡先開示の可否を確認する方法により行われる。
 ≫所在調査(三親等内の親族からの依頼)|外務省

ところが、このケースでは音信不通の相続人は海外在住かつ外国籍ということで、行方不明届と所在調査のいずれも対象外のため、届出・申出をすることができません。

このような場合でも申立てができないわけではなく、裁判所に事情を説明し、個別に対応を確認しながら手続きを進めることになります。

そこで当事務所で、家庭裁判所に必要書類等の確認を行うとともに、事情説明書を作成し、不在者財産管理人の選任申立てをサポートすることになりました。

また、不在者財産管理人選任後の遺産分割協議や相続手続きについても、ご依頼者様の負担にならないように、当事務所で引き続きサポートさせていただくことになりました。

このように解決しました

  • 相続関係及び不在者の足取りの調査のため、戸籍謄本等の収集を行いました。
  • 故人の預貯金等の財産を調査して、財産目録を作成しました。
  • ご依頼者様から行方不明になった経緯を詳しく伺い、裁判所に事情を説明するための事情説明書を作成しました。
  • 家庭裁判所に必要書類等の確認を行い、事情説明書やその他書類一式を整え、不在者財産管理人選任の申立てを行いました。
  • 不在者財産管理人として選任された弁護士と連絡を取り、遺産の分け方や分配方法についての確認・調整を行いました。
  • 遺産の分け方について裁判所の許可が出た後に遺産分割協議書を作成し、各相続人に署名捺印をいただくための手配を行いました。
  • 預貯金の解約手続きを行い、各相続人への分配まで完了させました。
  • 当事務所にすべておまかせいただいたことで、相続人様の負担なく手続きを終えることができたということで、大変ご満足いただけました。

担当者からのコメント

相続人の中に行方不明の方がいる場合、通常は家庭裁判所での手続きが必要になるため、不慣れな一般の方が自分で手続きを行うには大変な苦労が伴います。

特に今回のような外国籍の相続人がいるケースでは、イレギュラーな対応が求められるため、専門家の力を借りずに進めることは困難でしょう。

しかし、相続に強いとうたっている専門家の中でも、行方不明の方がいる場合や、外国籍の相続人がいる場合の手続き方法についてまで詳しい人は多くはありません。

今回のように両方が合わさったケースとなると、対応経験がある方の方が稀でしょう。

イレギュラーな案件では、関係各所への確認や調整が必要になりますが、前提知識だけでなく、同種の他の事例の対応経験があるかどうかで専門家の中でも対応力に大きな違いが出てきます。

不慣れな専門家に依頼したことで解決までの道筋が頓挫しないように、相続人の中に行方不明の方や外国籍の方がいる場合は、相続の経験豊富な専門家に相談の上、手続きを代行・サポートしてもらうことを強くおすすめします。

また、残された方が大変な思いをしないで済むように、推定相続人の中に行方不明の方がいる場合は、必ず遺言書を作成しておきましょう。

当事務所では、相続人の中に行方不明者や外国籍の方がいる場合の相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。

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外国籍・海外在住の相続人がいるケースでの、当事務所の実際のサポート事例はこちらをご覧ください。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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