遺言書の内容が不公平すぎる…絶縁状態の兄弟含めて公平に分けたい【不公平な遺言を無いものとし、改めて公平な遺産分割を行うケース】

ご相談前の状況
お父様が亡くなられた方からのご相談。
妻とは離婚済みのため相続人はお子様4人。
子供達の一人だけに全財産を遺す旨の自筆の遺言書があるが、遺言通りではなく兄弟全員で分けることを希望しているとのこと。
しかし、子供達のうち一人が父と絶縁状態で、他の兄弟とも数年間連絡が取れない状況。
故人は不動産賃貸業を営んでおり、準確定申告が必要なため、早めに連絡を取り手続きを進めたいという事で相談にいらっしゃいました。
問題点

- 相続手続きのためには相続人全員の協力が必要なため、疎遠な相続人に連絡を取る必要がある。
- 遺言書の内容が相手の感情を傷つける可能性が高いため、伝え方に気を配る必要がある。
- 事業収入があるため、4か月以内に準確定申告を行い、納税する必要がある。
- 遺産分割協議の前提として、相続財産の調査を行い、財産目録を作成して開示する必要がある。
- 協議がまとまった後の不動産の名義変更や、金融資産の解約・名義変更及び分配についても、公平に行う必要がある。
- 相続税の申告・納付が必要なため、10か月以内に遺産分割協議をまとめ、金融機関の解約や不動産の売却まで終わらせる必要がある。
当事務所からのご提案
亡くなった方が遺言書を遺していた場合、基本的には遺言に従い相続することになります。
本件の遺言書には、お子様のうち一人だけに全財産を相続させると書かれていましたが、一時的な感情に任せて書いたと思われる内容で、明らかに遺留分を侵害していたため、子供達も困惑する内容でした。
遺産を全部貰えるはずの本人も、他の人とそこまで差をつけられる理由はないという事で、兄弟4人でなるべく公平に分けることを希望されていました。
有効な遺言書がある場合でも、相続人全員の同意があれば遺言と異なる遺産分割は可能です。
しかし、本件では子供達のうち一人が父と絶縁状態で、他の兄弟とも数年間連絡が取れない状況でした。
また、連絡が取れた場合、法律的な話についてきちんと説明した上で、遺産分割について話し合う必要があると思っているが、うまく説明できるか自信が無いとのことでした。
そこで、当事務所で疎遠な相続人の方に連絡を取り、遺言と異なる遺産分割を行いたいことをご説明した上で、手続きについてのご協力をお願いすることを提案しました。
また、遺産分割協議を行うにあたっては、後から問題にならないように、前提として、相続財産の調査を行い、財産目録を作成して開示する必要があります。
さらに、無事協議がまとまった際には、不動産の相続登記、金融資産の解約及び分配などを行う必要があります。
その上、今回は相続税の申告が必要なため、10か月以内に相続不動産のうち一部を売却して、納税資金を捻出する必要もありました。
これらのことを公平かつ迅速に行うのは非常に大変です。今回のように疎遠な相続人がいる場合はなおさらです。
そこで当事務所で、戸籍収集、相続財産の調査及び財産目録の作成、遺産分割協議書の手配、相続登記、金融機関の解約及び各相続人への分配、さらには不動産の売却サポートまで、一貫してサポートすることになりました。
遺言書には特定の相続人への苦言や非難が…どう伝える?
本件では、遺産の分け方以外にも遺言書の記載内容に大きな問題がありました。
実は遺言書は2通作成されており、前の日付の遺言書には子供たちそれぞれに配分されており、分け方の理由も記載されていました。
その後子供の一人との間で感情的な対立があり、絶縁状態になったことをきっかけに、遺言書を全面的に書き換え、全財産を一人に相続させる旨の遺言書を遺したものと思われました。
しかし、新しい遺言書では対立していない子供の配分も何故かゼロになっており、特にそれに対する言及もありませんでした。
また、遺言書には全文を通して対立した子供に対する苦言や非難が書かれており、あまりにも一方的で感情的な言葉だったため、見た人全員が残念な気持ちになるものでした。
この内容を絶縁状態にあるお子様に見せた場合、かなり感情を傷つけることが予想されました。
今回のケースでは、遺言と違う分け方をするというのは決して悪くない提案のはずですが、下手をすると一切の協力を拒まれる可能性もあります。
そうなると、遺産を分けるためには遺留分請求等の方法によるしかなくなり、誰にとってもメリットはありません。
そこで、まずは遺言書の写しは添付せずに手紙の中で遺言書の内容を説明するにとどめ、その後も遺言書の内容は他の相続人の考えとは異なることを伝えた上で開示するなど、できる限り相手方の心情への配慮を心がけました。
故人の確定申告はどうする?準確定申告とは
本件では、故人が事業を営んでいたため、準確定申告を行う必要がありました。
準確定申告とは、事業収入等があり確定申告が必要な方が亡くなった場合に、被相続人の代わりに相続人が確定申告を行うことです。
準確定申告の期限は、被相続人の死亡から4か月以内で、期限内に申告だけでなく納税まで済ませなければなりません。
税理士が代行するということで進めていましたが、申告は相続人全員の連名で行うため、疎遠な方からも税理士へ税務を委任する書面をもらう必要がありました。
時間もないので、準確定申告に伴う所得税はいったん代表者様に立替えていただくことになりましたが、税理士への書面が揃わない場合、別々に申告書を提出することになり、余計な手間や費用が生じてしまいます。
そこで、疎遠な方へのお手紙で準確定申告についても説明し、書面を早急にいただきたい旨と遺産分配の際に立替金は精算したい旨をお伝えすることになりました。
このように解決しました

- 疎遠な相続人の方に、遺言書と異なる遺産分割を行いたい旨と、手続きを行うことに協力して欲しいという内容を記載したお手紙を出しました。
- 手紙に対して返事があり、色々と思うところはあるものの、遺言と異なる分け方をすることに異存はないということで、無事協力して貰えることになりました。
- 税理士と連携の上、準確定申告についての税務権限代理証書をいただき、期限内に申告を完了させました。
- 遺産分割協議の前提として、不動産や金融機関の調査を行い、相続財産を確定させた上で財産目録を作成し、相続人の皆様に開示しました。
- 分け方については、法定相続分をベースとすることでまとまったため、遺産分割協議書を作成し、相続人の皆様に署名捺印をいただく手配を行いました。
- その後の相続登記や、預貯金の解約、分配まで当事務所で代行させていただきました。
- 税理士と連携の上、相続税の申告に必要な資料の収集等をサポートさせていただきました。
- 相続に強い不動産会社の協力のもと、もっともメリットの大きい売却方法を検討の上、迅速な不動産売却をサポートしました。
- 売却代金により納税資金を確保できたため、無事期限内に相続税申告を完了させることができました。
- 特定の方に負担が偏ることもなく、公平かつ迅速に手続きを終えることができたということで、相続人の皆様に大変ご満足いただくことができました。
担当者からのコメント
このケースのように、疎遠な相続人の方がいる場合は、連絡を取る際の伝え方や、手続きの進め方について、十分に気を配る必要があります。
手続きを早く進めようとするあまり、失礼な対応をしてしまうと他の方の気分を害してしまう恐れがあります。
その結果、手続きが滞ってしまっては元も子もありません。
また、本件では故人が遺した遺言書がトラブルの原因となってしまいました。
結果的に上手く収まったものの、一歩間違えばだれも得しない最悪の事態となった可能性もあります。
このケースは少々極端な例だとしても、家族のためを思って書いた遺言書が、自分の死後に思わぬトラブルの引き金になることは珍しくありません。
特に自分ひとりで作成した遺言書は、記載方法を少し間違っただけで、結果的に残された相続人が困ってしまう可能性があります。
残された家族が困らないように、遺言書作成の際は、相続手続きの実務に精通した専門家に相談の上、不備の無い遺言書を作成しましょう。
特に、疎遠な相続人がいる場合は、専門家に遺言執行者を依頼し、遺言書の中で指定しておくことをおすすします。
当事務所では、遺言執行者として、または相続人の代理人としてこれまでに多数の遺言執行・相続手続きサポートの実績があり、疎遠な相続人がいるケースについても数多くのご相談・ご依頼をいただいております。
ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
遺言書の失敗事例と残された人が困らない遺言書作成のポイントについてはこちら

疎遠な相続人がいる場合の相続手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

お電話でのお問合せはこちら(通話料無料)
0120-546-069
























