相続手続きの必要書類一覧|効率的に進めるためのコツまで司法書士が解説

著者情報

司法書士法人東京横浜事務所
代表/司法書士 田中 暢夫
年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。相続案件を中心に、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
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「遺産相続、どの手続きに何の書類が必要?」
人が亡くなった後の手続きは多岐にわたり、その都度さまざまな書類の提出を求められます。
役所で取得する書類、相続人が作成しなければならない書類、有効期限が決められている書類…相続手続きでは、このような必要書類を集める段階でつまずいてしまうケースが多いです。
裏を返せば、必要な書類をしっかり把握して揃えることができれば、一般的な相続手続きはそれほど難しいものではないのです。
この記事では相続手続きの必要書類を、すべての手続きに共通する「基本の必要書類」と「手続きごとの必要書類」に分けて、わかりやすく解説します。
司法書士田中暢夫一般的な知識の解説にとどまらず、現役の司法書士である筆者の経験に基づく具体的なアドバイスも掲載しているので参考にされてください。
相続手続きを進めようとしている方は、本記事を参考にしていただければ、相続手続きの必要書類を無駄なくスムーズに揃えることができます。

相続手続きの「基本の必要書類」【一覧表】
すべての相続手続きに共通して必要になる「基本の必要書類」は以下の表のとおりです。
基本の必要書類は遺言書の有無によって異なるため、相続手続きを行うにあたってはまず遺言書の有無を確認しましょう。
■相続手続きの基本の必要書類
| 誰の | 書類 | 有効期限 | 取得場所 | 備考 |
| 遺産分割協議をする場合(遺言書がない場合) | ||||
| 亡くなった人の | 出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本,改製原戸籍) | なし | 本籍地の市区町村役場 *広域交付制度利用の場合は最寄りの市区町村役場 | 法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 住民票の除票(又は戸籍の附票) | なし | 最後の住所地の市区町村役場 *戸籍の附票は本籍地の市区町村役場 | 法定相続情報一覧図で代用可能 *一覧図に被相続人の住所の記載がある場合 | |
| 相続人全員の | 遺産分割協議書 | なし | 相続人全員で作成(実印を押印) | 法定相続人が1人の場合は不要 |
| 戸籍謄本 | なし *相続開始日以降に発行されたもの | 本籍地の市区町村役場 | 法定相続情報一覧図で代用可能 | |
| 印鑑証明書 | 手続きによって有効期限が異なる | 住所地の市町村役場 | ||
| 遺言書がある場合 | ||||
| 亡くなった人の | 遺言公正証書書(正本又は謄本) | なし | 公証役場 自宅など | ①公正証書遺言の場合 |
| 遺言書情報証明書 | なし | 法務局 | ②自筆証書遺言書保管制度利用の場合 | |
| 検認済遺言書(又は検認調書謄本) | なし | 家庭裁判所 自宅など | 上記①②以外の遺言書の場合 | |
| 戸籍謄本(死亡の記載があるもの) | なし | 本籍地の市区町村役場 *広域交付制度利用の場合は最寄りの市区町村役場 | 法定相続情報一覧図で代用可能 | |
| 住民票の除票(又は戸籍の附票) | なし | 最後の住所地の市区町村役場 *戸籍の附票は本籍地の市区町村役場 | 法定相続情報一覧図で代用可能 *一覧図に被相続人の住所の記載がある場合 | |
| 財産をもらう人の | 戸籍謄本 | なし *相続開始日以降に発行されたもの | 本籍地の市区町村役場 | 法定相続情報一覧図で代用可能 |
| 遺言執行者の | 選任審判所謄本 | なし | 家庭裁判所 | 遺言執行者がいる場合 *遺言で指定されている場合は不要 |
相続手続きに必要な戸籍謄本
戸籍謄本はすべての相続手続きで必要になる書類です。
相続手続きの際に必要になる戸籍謄本には、下記のような種類があります。
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等(①を含む)
- 相続人全員の現在戸籍謄本
※相続関係によってはこれ以外の戸籍が必要な場合もあります。
■相続手続きに必要な戸籍

司法書士田中暢夫遺言書がある場合は、「死亡の記載のある戸籍+財産取得者の戸籍」があれば不動産や金融機関の手続きはできます。
ただし、各相続人への通知や検認手続き、相続税の申告などで結局上記すべての戸籍が必要になる事が多いです。
上記のうち、被相続人(亡くなった人)の本籍地の市区町村役場に行けば、「①被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本」は確実に取得できます。
死亡の記載のある戸籍は、年金の手続きや保険金の請求など、使用する機会が多いので3~5通ほど取得しておくといいでしょう。
また、「②被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等」についても、同じ役所である程度揃うケースがあるので、あるだけ請求しておきましょう。
なお、故人の配偶者及び未婚の子供については「①被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本」が、「③相続人全員の現在戸籍謄本」を兼ねるため、重複しての取得は不要*です。
*養子縁組や分籍等で、未婚の子供と故人の戸籍が別になっている場合は別途取得が必要。
本籍地と住所地は必ずしも一致しないので、本籍地が遠方の場合は郵送請求や後述する「戸籍の広域交付制度」の利用をおすすめします。
司法書士田中暢夫窓口で請求する際は、担当者に「相続手続きで必要な戸籍をここで取れるだけ全てください。」「死亡の記載のある戸籍は多めに(3~5通)ください。」と伝えれば大丈夫です。
■戸籍の広域交付制度」を利用すれば最寄りの役所でまとめて請求可能
「戸籍の広域交付制度」とは、最寄りの役所において、全国の戸籍を一括して取得することができる制度です。
2024年3月1日から始まったこちらの制度を利用すれば、相続手続きに必要な戸籍収集の手間を大幅に減らすことができます。

広域交付制度を利用する場合、事前に予約をする必要があります。(自治体によっては不要な場合もあり)
最寄りの自治体のホームページを確認し、事前予約が必要であれば専用フォームや電話で来庁予約をしましょう。
その他、下記の点に注意してください。
【広域交付制度の注意点】
- 窓口の混雑状況よっては、戸籍の受取りまで数時間かかることがある。
- 自治体によっては当日発行できず7営業日程かかる場合もある。(その場合も郵送受取りは出来ず、後日あらためて役所へ足を運ぶ必要がある。)
- 広域交付制度で請求できるのは、「本人」「配偶者」「直系尊属(父母、祖父母など)」「直系卑属(子、孫など)」の戸籍のみ。(兄弟姉妹や甥姪の戸籍は対象外)
- 相続人本人が直接窓口で請求しなくてはならない。(郵送請求・代理人による請求は不可)
- 戸籍の附票やコンピュータ化されていない戸籍など、広域交付制度で請求できない戸籍等がある。
相続手続きに必要な戸籍の種類と集め方についてくわしくはこちらをご覧ください

書類は何通ずつ取得すればいい?
各書類は最低1通(1セット)ずつあれば手続きは可能です。
とは言え、相続手続きが必要な金融機関や不動産は複数あることが多いので、戸籍謄本一式や印鑑証明書を複数取得しておくとスムーズに手続きを進められます。
相続人の人数や相続財産の状況によっても異なりますが、取得数の目安としては下記のとおりです。
- 戸籍謄本・・・2、3通ずつ(法定相続情報一覧図を取得する場合は1通ずつ)
- 印鑑証明書・・・相続人1人あたり2、3通ずつ
- 遺産分割協議書・・・相続人の人数分
■戸籍謄本
相続手続きが必要な金融機関が複数ある場合、手続きをスムーズに進めるためには戸籍謄本一式を複数取得しておいた方がいいです。
戸籍謄本一式を提出して返却されるのを待ち、返却されたら別の機関へ提出するということを繰り返すよりも、複数の金融機関に同時に提出して手続きを進める方が時間を短縮できるからです。
ただし、戸籍謄本は1通450~750円の発行手数料がかかるため、手続き先が多いからと言って大量に取得するとそれなりのコストがかかってしまいます。
要な戸籍や手続き先が多い場合には、後述する「法定相続情報一覧図」を取得することをおすすめします。
司法書士田中暢夫金融機関の窓口で手続きする場合、その場で確認してすぐに返却してくれることもあります。
ただし、確認に時間がかかるので、できるだけ郵送で提出することをおすすめします。
■印鑑証明書
印鑑証明書も戸籍謄本一式と同様に、複数の手続きを同時並行で進めたい場合は、相続人1人あたり2、3通ずつ取得しておいた方がいいでしょう。
■遺産分割協議書
遺産分割協議書は、有効に遺産分割協議が成立したことの証明になるため、相続人の人数分の原本を作成し、それぞれが1通ずつ保管することが望ましいです。
また、相続手続きをスムーズに進めるという点でも、相続人の人数分は作成しておいた方がいいでしょう。
相続人代表がまとめて手続きを行う場合は、相続人全員分の遺産分割協議書をいったん預かり、手続き終了後に各相続人へ協議書を返却するようにしましょう。
司法書士田中暢夫手続き先が多い場合に、できるだけ早く終わらせたいのであれば、「法定相続情報」「遺産分割協議書」「印鑑証明書」を手続き先の数だけ準備しておけば最短で完了できます。
法定相続情報一覧図を取得すると手続きがスムーズに
戸籍謄本一式がすべて揃ったら、法定相続情報一覧図を取得することで、手続きがスムーズに進みます。
法定相続情報一覧図は、亡くなった方の相続関係を証明する家系図のような書面です。
■法定相続情報一覧図の見本

法定相続情報一覧図は、相続手続きの際に戸籍の代わりになる書類です。
法定相続情報一覧図があれば、手続きのたびにいちいち戸籍の束を提出せずに済みます。
戸籍一式を数通ずつ取得すると発行手数料がかさみますが、法定相続情報一覧図は何通取得しても無料です。
提出先の確認作業が大幅に短縮できるため、手続きの完了が早くなるというメリットもあります。
司法書士田中暢夫特に相続関係が複雑なケース、必要な手続きが多いケースでは法定相続情報一覧図を取得すると手続きが大幅に楽になります。
■法定相続情報一覧図の便利な仕組み

■法定相続情報一覧図を取得するメリット
- 複数の相続手続きを同時に進められる。
- 法務局に複雑な相続関係を確認してもらえる。(法定相続人の把握ミス、必要な戸籍の漏れに対処できる)
- 法務局で相続関係の確認が済んでいるため、手続き先の処理がスムーズになる。
- 何通でも手数料無料で取得できる。
- 戸籍等の紛失のリスクが無く、管理が楽になる。
- 5年間は無料で再取得できる。
法定相続情報一覧図を取得するためには、戸籍一式をそろえて、法務局に申請を行います。
法定相続情報一覧図のひな型や記載例は下記の法務局のホームページからダウンロードすることができます。
司法書士田中暢夫法定相続情報一覧図は何通取得しても無料なので、念のため手続きに必要な数より少し多めに取得しておくことをおすすめします。
■法定相続情報一覧図が不要なケース
下記のようなケースでは法定相続情報一覧図を取得するメリットが少ないので、必ずしも取得する必要はありません。
- 必要な相続手続きが少ない場合(不動産と金融機関2社程度までが目安)
- 相続人が1人しかいない場合
- 法定相続情報一覧図の取得期間(申請から完了まで約2週間~1か月)を待たずに相続手続きを行いたい場合

相続手続きでは原則として原本の提出が必要
相続手続きの必要書類は、原則として原本を提出する必要があります。
原本の提出が必要な場合、書類を提出する際に「原本還付の請求」をしておけば、確認後に原本を返却してもらえることがほとんどです。
手続き先によって原本還付請求の方法は異なるため、確認しておきましょう。
なお、相続税の申告では、印鑑証明書以外の書類はコピーの提出で大丈夫です。
また、証券会社やネット銀行など、一部の金融機関ではコピーやデータ*の提出で大丈夫な場合もあります。
*オンラインでの手続きの場合。
コピー提出が可能な場合、提出された書類は(原本含めて)一切返却不可という事が多いので、注意しましょう。
司法書士田中暢夫「コピー提出可能な書類はコピーで提出、原本の提出が必要な書類は原本還付請求する。」と考えておけばいいでしょう。
必要書類の有効期限
相続手続きに必要なほとんどの書類に有効期限はありません。
ただし、印鑑証明書は下記の通り手続きごとに有効期限が異なるので注意しましょう。
■主な相続手続きでの印鑑証明書の有効期限
| 手続きの種類 | 印鑑証明書の有効期限 |
| 相続登記(不動産の名義変更) | 期限なし |
| 金融機関の手続き(預貯金口座の解約や証券の移管) | 発行後6か月以内(金融機関によっては3か月以内の場合もあり) |
| 相続税の申告 | 期限なし |
| 自動車の名義変更 | 発行後3か月以内 |
司法書士田中暢夫なお、相続人の戸籍については、有効期限はないものの、相続開始後(死亡日以降)に発行されたものが必要になります。
相続財産の調査に必要な書類
相続手続きを行うにあたっては、まず下記のような相続財産の調査が必要です。
■相続財産の調査方法と必要書類
| 財産の種類 | 調査方法 | 調査先 | 必要書類 |
| 不動産 | ・登記全部事項証明書を取得する ・所有不動産記録証明書を取得する | 全国の法務局 | 【所有不動産記録証明書の取得に必要な書類】 ・交付請求書 ・請求人の本人確認書類の写し(又は印鑑証明書原本) ・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本 ・請求人が相続人であることが分かる戸籍謄本等 ・(過去の氏名や住所を検索条件とする場合)これらを証する書面(戸除籍謄本,住民票の写し,戸籍の附票の写しなど) ※登記全部事項証明書は、地番や家屋番号さえ特定できれば誰でも取得可能。(書類の提出は原則不要) |
| 固定資産評価証明書・名寄帳を取得する。 | 不動産所在地の市区町村役場(東京23区は都税事務所) | ・交付申請書 ・申請人の本人確認書類の写し ・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本 ・申請人が相続人であることが分かる戸籍謄本等 | |
| 預貯金 | ・故人名義口座の全店照会を行う ・残高証明書・取引履歴等を取得する | 各金融機関 | ・金融機関所定の発行依頼書等 ・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本 ・請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本等 ・請求者の印鑑証明書(発行6か月以内*のもの) *金融機関によっては3か月以内の場合あり |
| 株式、投資信託等の有価証券 | 残高証明書・異動明細等を取得する | 各金融機関 | ・金融機関所定の手続依頼書等 ・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本 ・請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本等 ・請求者の印鑑証明書(発行6か月以内*のもの) *金融機関によっては3か月以内の場合あり |
| 登録済加入者情報の開示請求を行う | ほふり(証券保管振替機構) | ・開示請求書 ・請求者の本人確認書類の写し ・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本* ・請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本等* ・被相続人の住所の確認書類の写し(運転免許証,住民票,戸籍の附票など) *戸籍謄本は法定相続情報一覧図で代用可。(法定相続情報一覧図を提出すると開示手数料が安くなる) |
司法書士田中暢夫相続財産の調査は相続人の一人が単独で行うことができ、他の相続手続きと異なり必要な戸籍も最小限で足ります。
必要な戸籍が揃った段階で、先に調査を進めることをおすすめします。
相続財産の調査についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

手続きごとの必要書類
相続財産の調査が終わり、財産の分け方が決まったら、預貯金口座の解約や不動産の名義変更などの各相続手続きを進めていきます。
これらの相続手続きでは、「基本の必要書類」に別途必要書類が加わります。
以下、それぞれの相続手続きでどのような追加書類が必要になるかについて解説します。
司法書士田中暢夫相続の状況によってはこの他にも書類が必要になるため、手続き先に事前に確認することをおすすめします。
相続登記(不動産の名義変更)
相続登記では、基本の必要書類に加えて下記の書類が必要となります。
- 登記申請書
- 固定資産評価証明書(登記申請年度のもの)
- 被相続人の最後の住所と登記簿上の住所の繋がりがわかる書類(住民票除票又は戸籍の附票)
- 不動産取得者の住所がわかる書類(住民票又は戸籍の附票)
- 相続関係説明図*
*相続関係説明図は必須ではないが、提出することで戸籍等のコピーを1枚1枚つけなくても原本還付を受けることができる。
司法書士田中暢夫法定相続情報一覧図(不動産取得者の現住所の記載があるもの)を提出する場合は、住所がわかる書類の提出は不要です。
相続登記の必要書類についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

金融機関の相続手続き
金融機関の相続手続きでは、基本の必要書類に加えて以下の書類が必要となります。
- 金融機関所定の相続手続依頼書
- 通帳・キャッシュカード(紛失している場合は不要)
- 預金を受け取る人の印鑑証明書(発行後6か月以内*のもの)
*金融機関によっては3か月以内の場合あり。
司法書士田中暢夫遺言執行者が手続きを行うときは、遺言執行者の印鑑証明書を提出します。
金融機関の相続手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。


相続税の申告
相続税の申告は、基本の必要書類に加えて、相続財産の評価や相続税額の算出の根拠となる資料を提出します。
主な必要書類は下記のとおりです。
■相続財産の評価や相続税額の算出の根拠となる資料
| 相続人に関する書類 | ・相続人全員のマイナンバー確認資料(マイナンバーカード等) ・相続人全員の身分証明証 ・相続人全員の住民票(又は戸籍の附票) |
| 不動産に関する書類 | ・固定資産税明細書または固定資産評価証明書 ・名寄帳 ・登記事項証明書 ・公図・測量図 ・賃貸借契約書(不動産を賃貸借していた場合) |
| 預貯金に関する書類 | ・残高証明書 ・既経過利息計算書 ・通帳(紛失した場合は入出金履歴) |
| 株式・投資信託など有価証券に関する書類 | ・残高証明書 ・配当金支払通知書 ・顧客口座元帳 ・決算書等(非上場株式がある場合) |
| 生命保険に関する書類 | ・支払通知書 ・保険証券 ・解約返戻金・年金評価額が分かる書類 |
| 生前贈与がある場合の書類 | ・贈与契約書 ・贈与税申告書 ・預金通帳 |
| その他財産に関する書類 | ・自動車の車検証・査定書・売買契約書 ・ゴルフ会員権 ・暗号資産や電子マネーの残高が分かる書類 |
| 葬儀費用に関する書類 | ・葬儀費用の領収書 ・葬儀費用の内訳が記載された明細書 ・お布施のメモ |
| 債務に関する書類 | ・未払いの税金の領収書 ・未払いの医療費や公共料金の領収書 ・借入金の残高が分かる書類 |
司法書士田中暢夫なお、相続税申告では印鑑証明書のみ原本が必要ですが、その他の書類はコピーを提出します。

相続放棄の申述
プラスの財産より借金などのマイナスの財産が大きい場合は、家庭裁判所で「相続放棄の申述」を行います。
相続放棄の申述に必要な書類は、通常の相続する手続きとは異なります。
具体的には下記のとおりです。
- 相続放棄の申述書
- 亡くなった人の住民票除票(又は戸籍の附票)
- 相続放棄をする人(申述人)の戸籍謄本
- 亡くなった人の戸籍謄本等(下表参照)
| 相続放棄をする人 | 必要な戸籍謄本 |
| 配偶者 | 亡くなった人の死亡の記載がある戸籍謄本 |
| 子(孫) | |
| 直系尊属(父母や祖父母) | 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本(除籍謄本,改製原戸籍) |
| 兄弟姉妹(甥姪) |
※先順位の相続人が死亡したことにより相続人になる場合は、先順位相続人の死亡に関する戸籍謄本等も必要。
司法書士田中暢夫戸籍謄本は、誰が相続放棄をするかによって必要となる範囲が異なるため注意しましょう。
相続放棄の手続きや必要書類についてくわしくは下記の裁判所ホームページをご確認ください。
参考
≫相続の放棄の申述|裁判所
相続人の中に認知症の方や未成年者がいる場合の必要書類
相続人の中に認知症等で判断能力が不十分な人がいる場合は、そのままでは遺産分割協議を行うことができません。
また、未成年者とその親権者が共同相続人である場合は、形式的にはお互いの利害が対立するため、親権者が未成年者の代理人として遺産分割協議を行うことができません。
このような場合は、所定の手続きを経て、本人の代わりに代理人が遺産分割協議に参加することになります。
具体的には、未成年者の場合は「特別代理人」を、認知症の方の場合は「成年後見人」を、それぞれ家庭裁判所に選任してもらう必要があります。
家庭裁判所での選任手続きに必要な書類は以下の通りです。
■後見等開始申立て(成年後見人選任の申立て)に必要な書類
- 申立書等(事情説明書、親族関係図、財産目録、収支予定表など)
- 本人の戸籍謄本(発行から3か月以内のもの)
- 本人の住民票(発行から3か月以内のもの)
- 成年後見人候補者の住民票又は戸籍の附票(発行から3か月以内のもの)
- 医師の診断書(発行から3か月以内のもの)
- 本人情報シートの写し
- 本人の健康状態に関する資料(介護保険認定書、療育手帳、障害者手帳などの写し)
- 成年被後見人等の登記がされていないことの証明書(発行から3か月以内のもの)
- 本人の財産に関する資料
- 本人の収支に関する資料
■特別代理人選任の申立てに必要な書類
- 特別代理人選任申立書
- 未成年者の戸籍謄本(発行から3か月以内のもの)
- 親権者の戸籍謄本(発行から3か月以内のもの)
- 特別代理人候補者の住民票(又は戸籍の附票)
- 利益相反に関する資料(遺産分割協議書案など)
司法書士田中暢夫なお、共同相続人の一人が成年後見人に選任された場合、形式上利益相反関係となるため、別途特別代理人の選任が必要になります。(後見監督人がいる場合除く)
特別代理人選任申立てについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

遺産分割のために成年後見制度を利用する際の注意点についてはこちらをご覧ください。


よくある質問
ここからは、相続手続きの必要書類に関するご相談の際によく受ける質問を、Q&A形式で解説します。
まとめ
相続手続きの必要書類は手続きごとに異なりますが、共通する書類も多いです。
本記事を参考に、個々の状況に応じて必要な書類を整理・把握することで、手順よく相続手続きを進めることができると思います。
ただし、相続の事情は人により千差万別のため、本記事に書き切れなかったイレギュラーな書類が必要になる事もあります。
もし、必要書類の取得や、相続手続きの進め方に不安がある場合は、一人で悩まずに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。
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