相続手続き中に新たに相続が発生⁉しかも被相続人が3人・・・【相続関係が複雑な上、手続き中に新たに相続が発生してしまったケース】

手続きを進めているうちに相続人の一人が亡くなり、新たに相続が発生してしまった!

ご相談前の状況

叔父様が亡くなられた方からのご相談。

相続人は兄弟姉妹と代襲相続人である甥姪あわせて10名。

主な財産は都内の自宅不動産と金融機関1行の預金口座のみであり、相続人間で公平に分けることで一応の合意はできているものの、戸籍の収集や相続人間でのやり取りや書類の手配が大変という事で相談にいらっしゃいました。

さらに、お話を伺う中で、実は土地については叔父様名義だが、その上に建っている建物2つについてはそれぞれ別の親族の名義になっていることが判明しました。

問題点

  • 相続人である兄弟姉妹や甥姪合計10人に連絡を取り、それぞれから遺産分割協議及び相続手続きについての協力を取り付ける必要がある。
  • 相談者も含めて、相続人はほとんどが地方在住のため、郵送等でのやり取りにかなり手間がかかる。
  • 相続関係を証明するために膨大な量の戸籍を取得しなくてはならない。
  • 建物の名義人のうちの一人については、かなり前に亡くなっており、相続登記をしない間に二次相続が発生してしまっているため、戸籍を調査して現在の相続人を確認する必要がある。
  • 不動産については売却して代金を公平に分配することを考えているが、関係者が多く、代表者の方も地方に住んでいるため、売却活動や売却のための諸手続き等を行うのが難しい。
  • 関係者が多く、調整が大変なため、代表者の方が手続きを行うと過大な負担となる。また、相続預金分配の方法等で後になって揉めることは避けたい。

当事務所からのご提案

亡くなった方に配偶者や子供がおらず、父母や祖父母もすでに他界されている場合、兄弟姉妹や甥姪が相続人になります。

兄弟姉妹が相続人である場合、大抵は相続人自身も高齢であり、手続きのために動くことが難しいという事が多いです。

また、兄弟姉妹の方が亡くなっていればその子供(甥姪)が相続人になるのですが、この場合はそもそも亡くなった方との関係性が薄く、連絡を取ったり、意見の調整を行うのが難しいことも多いです。

このケースもまさにそういったケースであり、さらに代表者の方が地方在住で頻繁に上京することが難しいという事情もありました。

そこで、特定の方に負担がかからないように、当事務所で、戸籍収集、各相続人への連絡、遺産分割協議の取りまとめ、遺産分割協議書の作成及び署名捺印の手配、不動産の名義変更、金融機関の解約及び各相続人への分配、さらには相続した不動産の売却及び売却代金の分配まで、必要な手続きを全て代行させていただくことを提案しました。

また、30年以上前に亡くなった建物の名義人のうちの一人について戸籍を調査した結果、やはり複数の相続が発生しており、現在の相続人は全く知らない方であることが判明しました。

そこで判明した相続人に当事務所で連絡を取り、事情を説明して手続きに協力してもらえるようサポートさせていただくことを提案しました。

さらなる相続発生!新たに発生した問題点

ご依頼をいただいてからは、膨大な量の戸籍を収集して相続人の確定作業を行い、各相続人に電話や手紙で連絡を取って協力を取り付ける等の地道な作業を少しずつ進めていきました。

その結果、時間はかかりましたが、何とか全員から同意を貰うことができました。

戸籍もそろったので、遺産分割協議書を作成して関係者全員に郵送して後は印鑑証明書と一緒に返送してもらえれば、相続登記や預貯金の解約手続きができる…と思っていた矢先に新たな問題が発生しました。

実は、相続人のうちのお一人(当初の被相続人のきょうだいの方)が突然亡くなられてしまったのです。

この場合は亡くなった相続人の相続人(二次相続人)に遺産分割協議に参加してもらい、手続きに協力してもらうことになります。

幸いお子様二人が相続人という事で、連絡先はわかったのですが、他の相続人の方とはほとんど面識がないとのことでした。このような関係性の場合は慎重に事を運ぶ必要があります。

そこで、失礼のないように四十九日が明けてから、当事務所の方でまずはお手紙を出させていただき、ご連絡が欲しい事をお伝えし、今後の手続きへの協力をお願いすることになりました。

このように解決しました

  • 膨大な量の戸籍を収集し、それぞれ相続関係の異なる3人の被相続人について、相続人を確定することができました。
  • 全国各地にいる10人(後に増えたため合計12人)の相続人に一人ずつ連絡を取り、手続きへのご協力をお願いし、同意を貰うことができました。
  • 面識のない相続人の方については特に慎重な対応が必要だったため、書面等で丁寧に事情を説明させていただきました。結果、無事同意を貰い、手続きに協力してもらうことができました。
  • 特定の方に負担がかからないように、遺産分割協議の調整及び協議書の手配、不動産の名義変更、金融機関の解約及び分配まで、必要な手続きを全て代行し、相続人様の手を煩わせることなく完了させました。
  • 不動産の売却についても当事務所で手配を行い、相続人様の手を煩わせることのないよう、売却代金の公平な分配までサポートいたしました。

担当者からのコメント

相続手続きを放置している間に、今度は相続人に相続が発生してしまい、遺産分割協議書に印鑑を貰う相手が増えてしまった…というのはよくある話です。

特に兄弟姉妹が相続人になる場合、相続人自身も高齢であることが多いので、亡くなってから数か月の間に次の相続が発生してしまうという事もあり得ます。

今回のケースはそもそもの相続関係が複雑な上に、さらに相続が発生してしまったという事で手続きは困難を極めました。

一度は相続人全員から同意を貰ったものの、正式に遺産分割協議書に署名捺印をいただく前に亡くなってしまった以上、再度協議が必要になります。

最悪の場合、協議がまとまらず、遺産分割調停や審判が必要になるというケースまで想定されました。

幸いにも面識のない相続人の方からご協力いただけるとの返事をすぐにもらえたため、さらに長期化して次の相続が発生して…という泥沼の事態は避けられました。

しかし、面識のない相続人がいる場合、まず連絡を取ることが困難な上、連絡を取れたとしても、手続きへの協力を貰うことが難しいという事態も想定しなくてはなりません。

不動産の相続登記については、現時点(2020年現在)では、登記をしないことによる罰則がないため、放置されてしまう方も多いのですが、今はシンプルな相続関係であっても、年月を経れば経るほど相続関係は複雑になっていきます。

そうなると関係者全員から同意を得るのはどんどん難しくなってしまいます。また、解決のための手間と費用が重くのしかかってきます。

さらに2024年以降は罰則(10万円以下の過料)付きで義務化されることが決まっているので手続きを放置するメリットは何もないと言えます。

不動産を処分したくても、関係者から同意を貰えないので処分できない…という最悪の事態を避けるためにも、相続が発生したらすみやかに相続に精通した司法書士などの専門家に相談の上、相続手続きを完了させることを強くおすすめします。

当事務所では、複雑な相続関係の調査や疎遠な相続人への連絡までまるごとおまかせいただける「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとしたサービスを提供しており、相続関係が複雑なケースや疎遠な相続人がいる場合の相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

相続まるごとおまかせプランについてくわしくはこちら

相続登記を放置した場合のデメリットについてはこちらの記事をご覧ください。

疎遠な相続人がいる場合の相続手続きについてはこちらの記事をご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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