相続登記を放置した結果、相続人が9人に!しかも更に相続が発生…【相続人が多い上、手続き中に更に相続が発生してしまったケース】

20年間放置されたままの不動産の名義を何とかしたい…

ご相談前の状況

ご主人様を亡くされた方からのご相談。

本人はご高齢のためそのお子様が相談にいらっしゃいました。(お母様は後妻で養子縁組もしていないため、お子様は直接の相続人ではない。)

亡くなった夫の遺産の中には20年前に死亡した夫の父名義の不動産があるが、相続登記を行わないまま放置されているとのこと。

夫の父の相続人は当初子供や孫7名だったが、二次相続発生の結果現在は9名まで増えてしまっている状況。

田舎の古家屋なので財産的価値はほぼないが、次の世代に迷惑をかけないためにこの機会にきちんとしておきたいという事で相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 被相続人が亡くなった後で複数の相続が発生しているため、相続に関係するすべての戸籍を取得し、相続関係者を確定する必要がある。
  • 相続人が離れて暮らしており、相続開始から時間も経っているため、一同に会する機会が無く、遺産分割協議書に署名捺印をもらうのが難しい。
  • 相続人の中には一度も連絡を取ったことのない方や、高齢で固定電話も持っていない方もいるため、自分で連絡を取るのは難しい。
  • 連絡が付く相続人もほとんどが地方在住のため、郵送等でのやり取りにかなり手間がかかる。
  • 対象の不動産が遠方にあるため、登記に必要な書類を自分で集めるのが難しい。
  • 相談者様は高齢で健康状態も良くないため、自分で動くことは難しい。

当事務所からのご提案

亡くなった家族の財産を調べたところ、すでに死亡している先代や先々代名義のまま放置されている不動産の存在が判明することは少なくありません。

このケースも20年前に亡くなった先代名義の不動産について、財産的価値が高くなかったため、また当時は相続登記が義務ではなかったという事もあり、放置されている状況でした。

相続登記をしないまま、時間が経過すると当初の相続人に相続が発生してしまい、関係者が増え、事態は複雑化してしまいます。

このケースでもすでに複数の相続が発生しており、さらに相続人の中に一度も連絡を取ったことのない方や、高齢で固定電話も持っていない方もいるため、とても自分の手には負えない状態でした。

そこでまずは当事務所で相続関係の調査のために戸籍を集め、判明した現在の相続人に連絡を取って話し合いの調整を行い、その後の遺産分割協議や相続登記まで代行させていただくことを提案しました。

さらなる相続発生!当初依頼者が亡くなってしまった…

ご依頼をいただいてからは、膨大な量の戸籍を収集して相続人の確定作業を行い、各相続人に電話や手紙で連絡を取って協力を取り付ける等の地道な作業を少しずつ進めていきました。

その結果、時間はかかりましたが、何とか全員から同意を貰うことができました。

後は遺産分割協議書を関係者全員に郵送して印鑑証明書と一緒に返送してもらえれば…という段階で新たな問題が発生しました。

実は、かねてより体調を崩されていたご依頼者様が亡くなられてしまったのです。

この場合は亡くなった方の相続人に遺産分割協議に参加してもらい、手続きに協力してもらうことになります。

このケースでは幸い当初より相続人であるお子様からご相談を受けやり取りをしていたので、問題なく手続きに協力してもらえることになりました。

そこで、当事務所で新たな相続に関する戸籍を収集し、相続関係を確定させた上で手続きを続行することになりました。

このように解決しました

  • 二次相続、三次相続含め膨大な量の戸籍を収集し、相続人を確定することができました。
  • 全国各地にいる9人(後に増えたため合計10人)の相続人に一人ずつ連絡を取り、手続きへのご協力をお願いし、同意を貰うことができました。
  • 面識のない相続人の方については特に慎重な対応が必要なため、書面等で丁寧に事情を説明しました。結果、無事同意を貰うことができました。
  • 遺産分割協議書を作成して、各相続人に一部ずつ送付し、署名捺印の上、印鑑証明書と一緒に郵送していただくよう手配しました。
  • 必要書類を整え、法務局に相続登記申請を行い、無事に名義変更が完了しました。

担当者からのコメント

相続登記は、以前はしないことによる罰則がなかったため、登記をしないまま何年も放置されてしまう方も少なくありませんでした。

しかしこのケースのように、相続登記をしない間に次の相続が発生してしまい、相続関係が複雑化してしまうと、手続きのためのコストは当初よりかなり大きくなってしまいます。

また、相続が発生した当初であれば快く協力してくれたであろう相続人も、事情の変化により連絡が取れなくなったり、手続きに協力して貰えなくなってしまう事も珍しくありません

さらに2024年以降、相続登記は罰則(10万円以下の過料)付きで義務化されることになったため、相続登記をしないことにより、より直接的なデメリットが生じることになりました。

相続登記を放置するメリットは何もなくデメリットは時間が経てば経つほど大きくなってしまいます。

次の世代に迷惑をかけないためにも、相続が発生したらすみやかに司法書士に相談するなどして、登記を完了させましょう。

当事務所では、長期間放置してしまったため関係者が20人以上になってしまったケースなど、相続人が多数の相続登記・相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

相続登記サポートについてくわしくはこちら

相続登記をしないことによるデメリットについてはこちらの記事をご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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