行方不明の相続人がいる場合、相続手続きはどう進める?【相続人の中に行方不明の方がいるケース】

行方不明者の代理人「不在者財産管理人」とは?
行方不明者の代理人「不在者財産管理人」とは?

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

ご相談前の状況

弟様が亡くなられた方からのご相談。

生涯独身の方だったため、相続人は兄弟姉妹及び甥姪合計8名。

相続人の人数が多い上、異母兄弟も複数いるため、ただでさえやり取りや意見調整が大変だが、それに加えて行方不明の相続人がいるとのこと。

遺産はそれなりにありそうで、相続税の申告が必要になる可能性もあり、迅速に手続きを完了させるために専門家の力が必要と考えて相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 遺産分割協議や預金解約等の相続手続きには、原則として相続人全員の同意が必要。
  • 異母兄弟ともやり取りをして、遺産分割協議をまとめなければならない。
  • 相続人の中に行方不明の方がいる場合、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらう必要がある。
  • 公平な遺産分割のため、財産調査をきちんと行い、財産目録を作成して開示する必要がある。
  • 遺産総額が基礎控除額を超える場合、10か月以内に相続税の申告及び納付を済ませなければならない。
  • 期限に間に合うように、全体のスケジュールを管理して手順よく手続きを進める必要がある。
  • 納税資金を確保するために、相続預金の解約及び分配を迅速に行わなくてはならない。
  • 後で不満が出ないように、財産の分配も含めて公平な第三者に任せたい。
  • これまでかなり労力を割いたので、これ以上手続きの負担が代表者に偏ることは避けたい。

当事務所からのご提案

故人の預貯金口座の解約や、不動産の名義変更手続きを進めるにあたっては、相続人全員による遺産分割協議を行うのが基本です。

異母兄弟のような関係性が微妙な相続人がいるからと言って、その方を除いて行った遺産分割協議は無効です。

このケースでは、相続人の中に複数の異母兄弟がいるという複雑な関係性でしたが、ご相談者様が代表者として何とかコンタクトを取り、手続きを進めようとされていました。

しかし、人数が多い上、全国に離れて暮らしていることもあり、これ以上自分で進めることは難しいと感じておられました。

また、相続人が多く基礎控除額が7,800万円あったため、当初は相続税の申告は不要と考えておられましたが、金融資産が思いのほか多く、申告が必要になる可能性もありそうでした。

このような場合、財産調査を迅速に完了させ、必要な手続きを正確に把握した上でスケジュールを組み、期限に間に合うように実行する必要があります。

一方で相続人間の微妙な関係性に配慮しながら公平に進める必要があるため、普通の方にはかなり荷が重いでしょう。

そこで当事務所で、各金融機関の調査を行うとともに、各相続人への連絡・調整も代行し、遺産分割協議をサポートさせていただくことを提案しました。

また、相続税の申告が必要な場合、税理士と連携して必要書類の準備を整えるとともに、遺産分割協議成立後すみやかに金融機関の解約を行い、納税資金を確保することを提案しました。

行方不明者の代理人「不在者財産管理人」とは

本件では、相続人の中に行方不明者がいるというもう一つの大きな問題がありました。

行方不明の相続人がいても、その方を除外して遺産分割協議を行うことはできません。

このような場合、行方不明者に代わって「不在者財産管理人」という代理人が遺産分割協議や相続手続きに参加することになります。

不在者財産管理人は家庭裁判所に申立てをして選任してもらう必要があり、通常は弁護士等の専門職が選ばれます。

相続税の申告が必要な場合は、10か月の期限内に間に合うよう申立てを行い、選任された不在者財産管理人とともに遺産分割協議を成立させなくてはなりません。

そこで当事務所で、申立てに必要な書類の収集及び作成を行い、不在者財産管理人の選任申立て及びその後の相続手続きを迅速にサポートさせていただくことになりました。

このように解決しました

  • 大量の戸籍の収集を迅速に行い、相続人の確定作業を完了させました。
  • 並行して異母兄弟を含む相続人に一人ずつ連絡を取り、手続きへのご協力をお願いし、同意を貰うことができました。
  • 不動産や金融機関の調査を迅速に完了させ、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てを行いました。
  • 不在者財産管理人として選任された弁護士と連絡を取り、他の相続人とも調整した結果、遺産の分け方は法定相続分をベースとすることになりました。
  • 遺産の分け方が決まった後は速やかに遺産分割協議書を作成し、全国にいる相続人に署名捺印をいただくための手配を行いました。
  • 遺産分割協議書が揃った段階で迅速に金融機関に書類を提出し、解約手続きを行い、各相続人への分配まで完了させました。
  • 並行して相続税申告の準備を進めていたので、申告期限ぎりぎりにはなりましたが、無事相続税の申告及び納付まで完了させることができました。
  • 代表者に負担が偏ることなく、公平かつ迅速に手続きを終えることができたということで、大変ご満足いただくことができました。

担当者からのコメント

相続人の中に行方不明の方がいる場合、不在者財産管理人の選任申立てを行うことが一般的ですが、行方不明になった経緯の説明や相続財産の調査が必要なため、不慣れな方が迅速に完了できるような手続きではありません。

また、今回のように相続人の人数が多く、関係性も微妙なケースでは、その方にも事情を説明して手続きに協力してもらう必要がありますが、代表者の方がこれらをすべて担うのは大変な負担となるでしょう。

一方で、手続きの負担に関わらず遺産は法定相続分できっちり分ける事になりがちです。

自分ばかり苦労をしたにも関わらず、分け方は公平となると、不満を感じない方は少ないのではないでしょうか。

本件のように相続人の関係性が遠いケースでは、「相続の専門家にまるごとまかせて、かかった費用はみんなで負担する。」というのがより公平な解決方法と言えます。

専門家にまかせることにより手続きの負担を誰かに押し付けることなく、迅速かつ確実に手続きを終えることができれば異議を唱える方は少ないでしょう。

相続人が多い、行方不明の方がいる等の事情がある場合は、相続の経験豊富な専門家にまかせて肩の荷を下ろしてはいかがでしょうか。

また、残された方が大変な思いをしないで済むように、推定相続人の中に行方不明の方や疎遠な方がいる場合は、必ず遺言書を作成しておきましょう。

当事務所では、相続人の中に行方不明者や疎遠な方がいる場合の相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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