養子と実子が相続人、死亡保険金や費用も含めて等分したい【相続人の関係が微妙なため、専門家関与の下公平に遺産分割したいケース】

養子2人と実子2人、4人で全てを公平に分けたい

ご相談前の状況

お父様が亡くなられた方からのご相談。

相続人として実子(前妻との子)が二人、養子(後妻の連れ子)が二人いるという微妙な関係。

相続開始後に初めて連絡を取ったが、遺産については揉めることなくきちんと分けることで合意しているとのこと。

ただ、財産の詳細が不明な部分も多く、自分たちで手続きしようとすると代表者に負担がかかるため、公平性の点から専門家の関与の下に遺産分割や相続手続きを行いたいという事で相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 公平な遺産分割のため、財産調査をしっかり行い、財産目録を作成して開示する必要がある。
  • 死亡保険金の受取額に差があるので、その分も含めてきっちり等分にしたい。
  • 葬儀費用や相続手続きにかかる費用も、遺産分割の際に精算したい。
  • 相続税の納税額も考慮して公平になるように分け方を決めたい。
  • 手続きの負担が特定の方に偏るのは避けたい。
  • 後で不満が出ないように、財産の分配も含めて公平な第三者に任せたい。

当事務所からのご提案

実子と養子のように関係性が微妙な相続人がいる場合、相続手続きは慎重に進める必要があります。

それまでほとんど交流が無かった場合、少しの行き違いから感情的になってしまい、大きなトラブルに発展するという事も少なくありません。

幸いこのケースでは、相続発生まで全く交流は無かったものの、話し合いの結果、貰う財産と負担する債務や費用をきっちり四等分するという事でまとまったという事でした。

ただ、皆様仕事が忙しく遠方在住の方もいたので、誰かに負担が偏ることなく、かつ公平に手続きを行ってほしいと全員が希望されていました。

そこで当事務所で、戸籍の収集、財産調査、財産目録の作成、遺産分割協議の調整及び協議書の手配、不動産の名義変更、相続預金の解約及び分配など、相続手続きをまるごと代行させていただくことを提案しました。

死亡保険金を含めて公平に分けたい…どんな方法がある?

このケースでは、後で不満が出ないようにきちんとしておきたいという事で、遺産分割の際に以下の事項も考慮して欲しいと希望されていました。

  • 受取人が指定されている死亡保険金もきっちり四等分したい。
  • 各人の相続税支払い後の手残り額が同額になるようにしたい。
  • 相続人が立て替えた葬儀費用や相続手続きにかかる費用も遺産分割の際に精算したい。

上記のうち3については、領収書等の資料を提出していただき、相続預金分配の際に当事務所で精算させていただくことになりました。

問題は1です。

受取人が指定されている死亡保険金は相続財産ではなく受取人の固有財産とされているため、遺産分割の対象にはなりません。

つまり、受取人の方が受け取った保険金を他の人に分配すると、贈与税の対象となってしまうのです。

この課税リスクを回避するためには、以下の2つの方法があります。

A.死亡保険金を考慮して各相続人の金融資産取得額を決める。(保険金を貰う人はその分金融資産取得額が少なくなり、貰わない人はその分多くなる。)

B.死亡保険金を考慮して代償金の金額を決める。(保険金を貰う人から貰わない人に相当額の代償金を支払う。)

相続財産の状況によっては上記の方法が使えない事もありますが、今回はどちらも問題なく使えたため、Aの方法で調整することになりました。

また、死亡保険金には相続税の非課税枠があるため、Aの方法で単純に調整しただけでは、各人の相続税の負担額が異なることになります。(死亡保険金を受け取る方は相続税が安く、受け取らない方は高くなる。)

そこで上記2の要望をかなえるために、税理士にあらかじめ相続税の金額を計算してもらい、相続税支払い後の手残り額が同額になるように、各人の金融資産取得額を調整する事になりました。

このように解決しました

  • 不動産や預貯金のほか、証券や保険契約についても漏れなく調査を行い、財産目録を作成して相続人の皆様に開示しました。
  • 死亡保険金や相続税も考慮した上で公平になるような遺産分割案を提案しました。
  • 提案通りの内容で話がまとまったため、遺産分割協議書を作成し、署名捺印をいただきました。
  • 相続預金の解約を代行し、葬儀費用や手続き費用を精算の上で各相続人様への分配を行いました。
  • 相続税申告を担当する税理士をお繋ぎして、期限内に申告及び納付を完了させました。
  • 不動産の名義変更その他の名義変更手続きなどもすべて代行させていただき、特定の方に負担が偏ることなく相続を終えることができました。

担当者からのコメント

身近な人の死は家族に大きな影響を与える出来事であり、相続をきっかけにそれまでの関係性が一変してしまう事も珍しくありません。

一緒に暮らした家族でもちょっとした行き違いから揉めてしまう事はあるので、相続人同士のつながりが薄い場合はより慎重に事を運ぶべきです。

特にこのケースのように、保険金の受取金額に差がある場合は心情的に揉めやすいです。

また、受取額に差は無くても税金の負担をめぐってトラブルになる事もあります。

いったんトラブルになると、解決までの手間や費用、心理的な負担は想像以上にかかります。

はじめから相続の専門家に舵取りをしてもらえば、余計なトラブルを抱え込むことなく、迅速かつ確実に相続を終える事ができます。

専門家に支払う報酬を考慮に入れても、有力な選択肢となるのではないでしょうか。

ただし、相続に関する法務・税務については様々な要因が複雑に絡み合うため、専門家でも正確に把握している方は少なく、それをわかりやすく説明できる方はさらに少ないのが実情です。

専門家の見分け方ですが、ホームページ等で実際の事例を公開している所であれば、専門性と実績について判断しやすいでしょう。

相続人同士の関係性が複雑な方は、本当に相続に詳しい専門家に一度相談してみてはいかがでしょうか。

当事務所では、養子と実子など関係性が複雑な相続人がいる場合の相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

相続まるごとおまかせプランについてくわしくはこちら

相続人の関係性が複雑なケースでの、当事務所の実際のサポート事例はこちらをご覧ください。

疎遠な相続人がいるときの相続手続きの進め方について詳しくはこちらをご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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