抵当権の債務者変更登記とは?債務を相続する場合の手続きについて

故人が債務者になっている抵当権はどうすればいい?

亡くなった方にアパートローンや事業のための借入があり、相続放棄せずに返済を続ける場合、債務を担保するために抵当権が設定されていれば、債務者の変更登記が必要になります。

抵当権の債務者が亡くなったら何が必要?

ここでは、抵当権の債務者変更登記手続きについてくわしく解説するとともに、抵当権の債務者変更登記をはじめとする死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについても解説します。

なお、残っている債務が住宅ローンの場合、亡くなった方が団信(団体信用生命保険)に加入していれば保険金により完済扱いとなります。

この場合、抵当権の債務者変更登記ではなく、金融機関での手続き及び抵当権抹消登記が必要なので、下記のページを参考になさってください。

抵当権の債務者変更登記等の死後手続き・相続手続きに関する無料相談実施中!

抵当権の債務者変更登記をはじめとして、お客様にどのような手続きが必要なのかをご案内させていただくため、当事務所では無料相談を行っています。

当事務所では、身近な人が亡くなった後に必要な死後手続き・相続手続きに関して、数多くのご相談とご依頼を受けています。

このような豊富な相談経験を活かし、お客様に必要な手続きと最適なサポートを提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

目次

抵当権とは?

抵当権(ていとうけん)とは、担保権の一種で、住宅ローン等の借入を担保するために不動産に設定する権利の事です。

住宅ローン等の高額なローン契約の際には、金融機関等の債権者が不動産所有者との間で抵当権の設定契約を結ぶのが通常です。

抵当権が設定されている物件については、万が一返済が滞った場合でも、他の債権者より優先して、抵当権者が競売代金等の中から返済を受けることができます。

亡くなった方の債務を引き継いだ場合に必要な手続きとは?

亡くなった方にアパートローン等の債務がある場合、法定相続人全員に法定相続割合で引き継がれるのが原則です。

そのまま相続人全員がそれぞれに返済を続けるという事であれば、債権者である金融機関等の承諾や特別な手続き等は不要です。

しかし、相続人が複数の場合、相続人全員が債務を負担するとなると予期せぬ不利益を被ることがあります。

例えば、アパート建設のためのローンについて、アパートは相続人の一人が相続するが債務は法定相続割合で負担するとした場合です。

アパートを相続しなかった方からの返済が滞ると、最悪アパートが差し押さえられてしまいます。

せっかくアパート経営が上手くいっているにもかかわらずそのような事態が起こってしまうと大変困ります。事業のための借入でも同様の事態が起こり得ます。

また、金融機関にとっても、複数の相続人にそれぞれ請求するのは手間ですし、時効の管理等が面倒です。

そこでこのような場合は、相続人間で遺産分割協議を行い、特定の相続人のみが債務を引き継ぎ、他の方は返済義務から免れるという合意(免責的債務引受)をして、金融機関から承諾を得ることが普通です。

金融機関の承諾が得られた場合、金融機関と債務を引き継ぐ相続人との間で債務の引き受けに関する契約(債務承継契約や免責的債務引受契約)を結ぶことが多いです。

また、引き継いだ債務を担保するために不動産に抵当権が設定されている場合は、抵当権の「債務者変更登記」を行うことになります。

なお、相続人が債務を引き継いで返済を続けることが難しい場合は、相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きを行う事で、返済義務を免れることができます。

ただしその場合、プラスの財産を引き継ぐこともできないので、不動産はあきらめるしかありません。

相続放棄についてくわしくはこちら

亡くなった方の債務を引き継ぐ際の手続きの流れ

亡くなった方の債務を引き継ぐ場合の手続きの流れは、相続のケースや金融機関等によっても異なりますが、一般的には以下の通りです。

【相続債務の承継手続きの流れ】

1.相続人全員で遺産分割協議を行い、債務を引き継ぐ方を決める。

2. 抵当権者である金融機関等に協議の内容を伝える。

3.金融機関等による審査が行われ、承認が得られれば、債務の引継ぎに関する合意書等を取り交わす。

4.合意内容に従って、抵当権の債務者変更登記申請を行う。

本記事では上記のうち4の「抵当権の債務者変更登記」について詳しく解説します。

相続債務の承継手続き全般についての注意点等についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら

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抵当権の債務者変更登記手続きの流れ・必要書類・注意点など

以下では、抵当権の債務者変更登記についてくわしく解説しますが、抵当権の債務者変更登記が必要な場合、実際には司法書士への依頼が必要なことがほとんどだと思います。

かなり専門的な内容となるので、参考程度に見ていただき、相続登記と併せて初めから司法書士に依頼されることをおすすめします。

以下では、抵当権の債務者変更登記についてくわしく解説しますが、抵当権の債務者変更登記が必要な場合、実際には司法書士への依頼が必要なことがほとんどだと思います。

かなり専門的な内容となるので、参考程度に見ていただき、相続登記と併せて初めから司法書士に依頼されることをおすすめします。

司法書士への相続登記の依頼を考えている方はこちらの記事も参考になさってください。

抵当権の債務者変更登記の手続きの流れは相続のケースによっても異なりますが、おおむね以下の通りです。

※前提として、債務引受についての金融機関の承諾は得られているものとします。

※クリックするとそれぞれの手順についての詳しい解説に移動します。

【抵当権の債務者変更登記手続きの流れ】

1.対象の不動産が亡くなった方の名義であれば、前提として必要な相続登記の準備をする

2. 抵当権者(金融機関等)から抵当権変更登記に必要な書類を受け取る(又は必要書類を準備して金融機関に渡す)

3.必要書類を管轄法務局に提出し、登記申請を行う

4.登記完了後、登記完了証等を受け取り、手続き終了

以下、それぞれについてくわしく解説します。

不動産が亡くなった方の名義であれば、相続登記の準備をする

抵当権の債務者変更登記を行うにあたり、抵当権が設定されている不動産が亡くなった方名義のままでは登記を申請することはできません。

この場合、前提として相続人への所有権移転登記(相続登記)を行う必要があります。

相続登記は抵当権変更登記と同時に行うこともできますが、金融機関(抵当権者)によっては、先に相続登記を済ませるよう言われることもあるので、事前に確認しておきましょう。

抵当権変更登記は、ほとんどの場合司法書士に依頼することになるので、まだ相続登記を行っていない場合は、一緒に依頼すれば手間はかかりません。

相続登記の手続きの流れや必要書類についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、自分で相続登記をやるという方は参考になさってください。

金融機関等から登記に必要な書類を受け取る(又は必要書類を準備して金融機関に渡す)

抵当権の債務者変更登記は登記義務者(不動産の所有者)と義務者(金融機関等の抵当権者)の共同申請によって行います。

共同申請と言っても、一緒に法務局に行って申請するわけではありません。

実際には金融機関から登記に必要な書類を受け取って、自分で手配した司法書士に依頼するか、金融機関に書類を提出して、金融機関が手配した司法書士が登記を申請するかのどちらかのケースがほとんどです。

抵当権の債務者変更登記には、以下の書類が必要になります。(故人が債務者兼抵当権設定者で司法書士へ依頼する場合を想定しています。)

1.登記申請書

2.登記原因証明情報

3.登記済権利証又は登記識別情報

4.委任状(不動産所有者及び抵当権者のもの)

5.会社法人等番号が記載してある書面(法人全部事項証明書など)

※相続のケースその他の事情によってはこのほかの書類が必要になる場合があります。

上記のうち、3以外の書類は金融機関又は司法書士が準備します。

不動産所有者の方は2及び4の書類への記入・押印が必要になります。

3の書類は不動産を取得したときに発行されたものです。

相続によって取得した場合は相続登記完了後に発行されます。

相続登記と抵当権変更登記を同時に(連件で)申請する場合は、相続登記が完了すれば登記識別情報が提供されたとみなされるので、添付は不要です。

なお、共同申請で不動産の所有者が登記義務者となる場合、通常は登記義務者の印鑑証明書の添付が必要ですが、抵当権の債務者変更登記では印鑑証明書の添付は不要です。

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必要書類を管轄法務局に提出し、登記申請を行う

必要な書類が揃ったら、不動産を管轄する法務局に登記を申請します。

登記に必要な登録免許税は不動産1個につき1,000円です。

登記申請書の記載は下記の通りとなります。

登記の目的 抵当権変更

原因 令和○年○月○日相続(日付は相続開始日)

変更後の事項 債務者 (債務者の住所・氏名を記載)

権利者 (抵当権者の本店所在地・名称・会社法人等番号・代表者の肩書及び氏名を記載)

義務者 (抵当設定者(不動産所有者)の住所・氏名)

添付書類 登記識別情報(又は登記済証) 登記原因証明情報

     会社法人等番号 代理権限証書 

(以下省略)

複数の相続人がいる場合でも、遺産分割協議を行い、合意内容について金融機関から承諾を貰ったケースであれば前提として共同相続人全員を債務者とする抵当権変更登記を申請する必要はありません。

ただし、金融機関によっては相続及び債務承継の経緯を明らかにするために、

1.相続を原因とする法定相続人全員への債務者変更登記

2.免責的債務引受を原因とする特定相続人への債務者変更登記

の順で申請することを求められる場合もあります。

その場合は、以下の順番及び内容で登記を申請することになります。

1件目

登記の目的  抵当権変更

原   因  令和○年○月○日相続(日付は相続開始日)

変更後の事項 債務者 (相続人全員の住所・氏名を記載)

(以下省略)

2件目

登記の目的  抵当権変更

原   因  令和○年○月○日免責的債務引受

      (日付は合意又は承諾のあった日)

変更後の事項 債務者 (債務を承継する相続人の住所・氏名を記載)

(以下省略)

なお、相続登記がまだ済んでいない場合は、前提として相続登記を申請する必要があるので、

1.相続を原因とする所有権移転登記

2.相続を原因とする抵当権変更登記

の順で連件申請を行います。

登記完了後、登記完了証等を受け取り、手続き終了

申請書類に不備がなければ、通常1~2週間程度で登記が完了します。

登記完了後に発行される完了証と原本還付書類を受け取って手続き完了となります。

なお、抵当権の債務者変更登記は単なる登記事項の変更に過ぎず、申請人が自ら登記名義人となる登記ではないため、登記が完了しても新たに登記識別情報は発行されません。

抵当権の債務者変更登記にかかる費用

抵当権の債務者変更登記には下記の費用がかかります。

1.登録免許税(対象不動産1個につき1,000円)

2.郵便料金や登記事項証明書発行手数料等の実費(数千円程度)

3.司法書士への報酬(事情によって2~5万円程度)

1及び2については自分でやっても必ずかかる費用です。

3については自分で登記申請すれば不要ですが、申請に間違いがあると金融機関も困るので、現実的には司法書士に依頼することになると思います。

報酬は相続のケースや不動産の数、必要な登記の数によって異なりますが、一般的なケースであれば2~5万円の範囲で収まると思います。

なお、通常、登記にかかる費用は登記権利者の負担、もしくは当事者双方で折半となりますが、抵当権の債務者変更登記については、登記義務者(不動産の所有者)が負担するのが慣例となっています。

前提として住所変更登記が必要な場合

亡くなった方から不動産を相続した場合はあまり関係ないと思いますが、抵当権の債務者変更登記を申請する際に、所有者の住所や氏名が変更になっている場合は、変更登記の前提として登記名義人(所有者)の住所等の変更登記が必要になります。

この場合、登記簿上の住所と現住所の繋がりがわかる書類(住民票や戸籍の附票など)を提出して住所変更登記を申請しましょう。

住所変更登記は登記名義人(この場合は不動産の所有者)の単独申請で行います。

住所変更登記についてはこちらの記事もご参照下さい。

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根抵当権の場合は6か月以内に指定債務者の合意の登記が必要

不動産に設定されているのが根抵当権(ねていとうけん)の場合は、必要な手続き及び登記申請の内容が異なります。

根抵当権は通常の抵当権とは異なり、当事者間で繰り返される借入について、限度額(極度額)の範囲内であれば何度でも担保するという性質があるため、債務を完済しても消滅しません。

そのため、被相続人の債務を担保するために根抵当権が設定されている場合は、まず、今後その根抵当権を利用して融資を受ける可能性があるかを考える必要があります。

※根抵当権は事業資金の融資のために設定されることがほとんどです。

故人の事業を引き継いだ方が今後も継続して融資を受ける予定があるのであれば、相続開始から6か月以内に「相続人全員への債務者変更登記」及び「指定債務者の合意の登記」を行う必要があります。

期限内に登記をしないと、新たな融資については既存の根抵当権で担保されないため、改めて根抵当権等の設定契約及び登記を行うことになります。

抵当権の設定登記にかかる費用は、債務者変更登記と比べて割高なので、お早めに金融機関等にご相談ください。

また、根抵当権で担保されるのはあくまで相続開始時点の被相続人の債務であり、債務引受契約によって引き受けた債務は担保されません。

引き続き根抵当権で担保するためには免責的債務引受契約によって引き受けた債務を、特定債権として追加する根抵当権変更登記(債権の範囲の変更)をあわせて行う必要があります。

一方、追加融資を受ける予定が無い場合も、特定の方が債務を引き継いで返済を継続する場合は、根抵当権の変更登記が必要になります。

この場合、「相続人全員への債務者変更登記」及び「債務引受を原因とする債務者変更登記」を行うことになります。

この登記は6か月以内にしなければならないという期間制限はありませんが、相続開始から6か月以内に申請する場合は前提として根抵当権の元本確定登記が必要になります。

なお、根抵当権の変更登記が必要なのは、債務者である個人が死亡した場合であり、債務者が法人になっている場合は(故人が代表取締役等だった場合でも)、指定債務者の合意の登記等は不要です。

根抵当権の債務者変更登記の際は、添付書類として登記義務者(不動産所有者)の印鑑証明書が必要になります。

その他の書類は抵当権の債務者変更登記と基本的に同じです。

登録免許税も抵当権の場合と同じく同じく不動産1個につき1,000円です。

亡くなったのが不動産の所有者であれば、前提として相続登記が必要なのも同じです。

いずれにしても根抵当権の変更登記は抵当権よりさらに複雑なため、司法書士に依頼することになるでしょう。

参考までに債務者が死亡した場合の根抵当権変更登記について登記の目的等を下記に記載します。

■引き続き根抵当権を利用して融資を受ける場合

1件目

登記の目的  根抵当権変更

原   因  令和○年○月○日相続(日付は相続開始日)

変更後の事項 債務者 (相続人全員の住所・氏名を記載)

(以下省略)

2件目

登記の目的  根抵当権変更

原   因  令和○年○月○日合意

      (日付は相続人間の合意があった日)

変更後の事項 指定債務者 (債務を承継する相続人の住所・氏名を記載)

(以下省略)

3件目

登記の目的  抵当権変更

原   因  令和○年○月○日変更

      (日付は金融機関の合意又は承諾のあった日)

変更後の事項 債務者 (債務を承継する相続人の住所・氏名を記載)

       債権の範囲 銀行取引 手形債権 小切手債権

       令和○年○月○日債務引受(旧債務者○○、○○)にかかる債権

       令和○年○月○日相続による○○の相続債務のうち変更前根抵当権

       の被担保債権の範囲に属するものにかかる債権

(以下省略)

■追加融資を受けずに特定の方が債務を引き継ぐ場合

※相続開始後6か月以内に以下の登記を申請する場合は、前提として「根抵当権の元本確定登記」が必要になります。詳しくは登記を依頼する司法書士にご相談ください。

1件目

登記の目的  根抵当権変更

原   因  令和○年○月○日相続(日付は相続開始日)

変更後の事項 債務者 (相続人全員の住所・氏名を記載)

(以下省略)

2件目

登記の目的  根抵当権変更

原   因  令和○年○月○日免責的債務引受

      (日付は合意又は承諾のあった日)

変更後の事項 債務者 (債務を承継する相続人の住所・氏名を記載)

(以下省略)

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完済した場合は抵当権抹消登記が必要

故人の債務が住宅ローンの場合、亡くなった方が団信(団体信用生命保険)に加入していれば保険金により完済扱いとなります。

この場合、抵当権の債務者変更登記ではなく、抵当権抹消登記を行います。

また、故人から引き継いだ債務を完済した場合も、金融機関から必要な書類を受け取って抵当権抹消登記を行う必要があります。

抵当権抹消登記は自ら(又は司法書士に依頼して)法務局に申請を行う必要があります。

手続きの期限や、やらなかった場合の罰則はありませんが、長期間放置してしまうと余計な手間や費用がかかるので、完済したらすみやかに行っておきましょう。

完済後の抵当権抹消登記についてくわしくはこちらの記事をご覧ください

不動産所有者と債務者が異なる場合

ここまで抵当権及び根抵当権の債務者変更登記について解説してきましたが、いずれも債務者兼抵当権設定者(不動産所有者)が亡くなったケースを想定しています。

もし亡くなったのが抵当権設定者でない債務者だった場合は、不動産所有者の承諾があるか否かによって手続きが異なります。

※他人の債務のために自分の不動産に抵当権を設定しているケースを、物上保証(物上保証人)と言います。

債務者の返済が滞れば、抵当権が実行されて不動産を失う恐れがあるため、担保提供者にとって、誰が債務を引き継ぐのかは重要な問題です。

そこで、相続人のうち特定の方が債務を引き継ぐという合意に基づいて、抵当権の債務者変更を行うためには抵当権設定者(=不動産所有者・物上保証人)の承諾を得る必要があるとされています。

不動産所有者の承諾を得られない場合は、抵当権は消滅するので、債務者変更登記ではなく、抵当権抹消登記を申請することになります。

なお、不動産所有者の承諾を得て抵当権変更登記を申請する場合でも、登記申請は所有者と抵当権者の共同申請で行うので、承諾を証する書面の添付は不要です。

また、物上保証人の承諾が必要というのはあくまで相続人のうち特定の方のみが債務を引き受ける場合の話です。

原則どおり相続人全員が法定相続割合で債務を引き継ぐ場合は、これまでどおり抵当権によって債務全額が担保されます。

この場合は相続を原因とする法定相続人全員への債務者変更登記のみを行うことになります。(特に登記申請しないこともあります。)

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抵当権の債務者変更登記その他の死後手続き・相続手続きのつまずきポイント

ほとんどの人にとって死後手続き・相続手続きを行うのは初めての経験でしょうから、思わぬところでつまずいてしまうことがあります。

そこでここでは、抵当権の債務者変更登記をはじめとする死後手続き・相続手続きを自分で行う場合につまずきやすいポイントについて解説します。

ご自身で手続きを行うか悩まれている方は参考にされてください。

また、これを読んで自分には難しそうだな・・・と感じられた方はお早めに専門家に相談することをおすすめします。

死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについて

死後手続き・相続手続きを、ご自身で行う場合多くの方がつまずくポイントとしては、主に以下の4つが挙げられます。

1

役所や法務局に相談しても専門用語で説明されてよくわからない。

死後手続き・相続手続きについて確認するために、役所や法務局、金融機関等に相談したが、聞きなれない専門用語をたくさん使って説明されたため、結局よくわからなかったという話もよく聞きます。

例えば、相続手続きでは“被相続人”、“相続人”という用語が頻出しますが、どっちがどっちかわからなくなる方もいらっしゃいます。

また、必要書類の中でも戸籍は種類が多く、作成された時期等によって正式名称が異なる上、手続き先によっては通称で説明されることもあるため、混乱してしまう方も多いです。

また、説明する能力や理解する能力は人それぞれなので、人によっては説明の仕方や対応について不満を抱くこともあるかもしれません。

2

遺産分割協議などで相続人間の調整が大変。

相続手続きについては、遺言書がある場合を除いて、原則として相続人全員で手続きを行う必要があります。

相続人が複数いれば、基本的には遺産分割協議書を作成することになります。

知識のない一般の方が自分たちだけで協議を進めようとすると、分け方などをめぐって意見が一致しない場合に、手続きが止まってしまったり、最悪の場合、不信感から争いに発展してしまう事さえあります。

3

相続人間での書類のやり取りや、手続きの説明に手間がかかる。

財産の分け方については争いが無い場合でも、手続きに必要な書類の手配や他の相続人への説明がネックになる場合もあります。

特に相続人が離れて暮らしている場合は、手続きのために郵送等で必要書類のやり取りを行わなければならず、書類の書き方や郵送方法等の説明、さらには不備があった場合の訂正など、思った以上に手間がかかり、負担になることも多いです。

4

相続に詳しくない専門家に相談してしまったために悩みが解決しない。

税理士や司法書士は一般の方から見れば“専門家”です。当然相続についても詳しいものとお考えかもしれません。

しかし残念ながら、ほとんどの税理士は法人の顧問がメインの業務のため、相続についてくわしい方はごくわずかです。

また、司法書士であれば相続“登記”についての知識は一応備えていると思いますが、登記以外の手続きや相続に関する周辺知識にまで精通した方はやはりごくわずかしかいません。

しっかりと吟味して本当の専門家に相談出来ればいいのですが、知人の紹介や近所だからという理由で選んでしまうと、“専門家”だと思って相談したのに、曖昧な回答をされたために結局悩みが解消しなかったという残念な結果もあり得ます。

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死後手続き・相続手続きの代行を当事務所に依頼した場合

抵当権の債務者変更登記をはじめとする死後手続き・相続手続きについては、上記のようなつまずきポイントがあるため、ご自身で行おうとしたものの、やっぱり専門家に依頼することにした、という方も多いです。

当事務所では、面倒な相続手続きをまるごとおまかせできる「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続代行サービスを提供しているので、抵当権の債務者変更登記を含む死後手続き・相続手続き全般について代行・サポートが可能です。

抵当権の債務者変更登記を含む死後手続き・相続手続きを、当事務所にご依頼いただいた場合の主なメリットは以下のとおりです。

メリット1

死後に必要な100種類以上の手続きについて正確に把握しているため、お客様にどの手続きが必要かをご案内することが可能です。お客様の方でどのような手続きが必要かを一つずつ確認する必要はありません。

メリット2

役所や金融機関、法務局とのやり取りは基本的に当事務所が行うため、お客様が連絡をしたり、窓口に行ったりする必要はありません。

メリット3

難しい法律問題や手続きの内容についても、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすく説明させていただきます。

メリット4

公平な立場から、適切な遺産分割についてのアドバイス・サポートを行うので、わだかまりを残すことなく、円満な相続が実現できます。

メリット5

各相続人への連絡・説明や、必要書類の郵送手配なども当事務所が代行するため特定の方に負担が偏ることはありません。

メリット6

年間100件以上の相続案件を担当する相続に精通した国家資格者が在籍しているため、疑問や不明点にすぐにお答えすることができます。

メリット7

これまでにたくさんのお客様からご依頼をいただき、ご満足の声をいただいておりますので、安心しておまかせいただけます。

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抵当権の債務者変更登記についてのよくある質問

ここからは抵当権の債務者変更登記を含む死後手続き・相続手続きのご相談の際によく受ける質問を、Q&A形式で解説します。

抵当権の債務者変更登記は必ず行わなくてはならない?

必須ではありませんが、特定の方が債務を引き継ぐ場合は行っておくべきでしょう。

抵当権の債務者変更登記は義務ではなく、行わなくても罰則はありません。

しかし、複数の相続人のうち特定の方が債務を引き継ぐ場合に、債務者変更登記を行っておかないと、誰が債務者なのかが登記記録から読み取れず、融資を受ける際に問題になる可能性があります。

抵当権者である金融機関等にとっても、実際の債務者と登記簿上の債務者が異なるのは好ましくないことなので、特定の方が債務を引き継ぐのであれば条件として登記することを求められるでしょう。

抵当権の債務者変更登記にかかる費用は誰が負担する?

通常は抵当権設定者(不動産の所有者)が負担します。

通常、登記にかかる費用は登記権利者の負担、もしくは当事者双方で折半となりますが、抵当権の債務者変更登記については、登記義務者(不動産の所有者)が負担するのが慣例となっています。

抵当権は金融機関等の債権を担保するために設定するので、金融機関が負担すべきとも思えますが、実際には抵当権の設定や変更を行わないと融資を受けられないという条件になっているので、抵当権設定者が負担するケースがほとんどになっています。

抵当権の債務者変更登記を自分で行うことはできる?

金融機関の同意があれば可能ですが、通常は司法書士に依頼することになるでしょう。

抵当権の債務者変更登記に限らず、登記は本人申請が原則なので、司法書士に依頼せずに自分で申請することが不可能という事はありません。

しかし、抵当権の債務者変更登記は登記義務者(不動産の所有者)と登記権利者(抵当権者)の共同申請なので、登記権利者である金融機関から登記を自分で行うことについての同意を得る必要があります。

金融機関としては、自分たちが費用を負担しないとはいえ、誤った登記申請をされると困るので、同意を得られる可能性は低く、結局は司法書士に依頼することがほとんどでしょう。

抵当権の債務者変更登記以外に死後に必要な手続きはどんなものがある?

預貯金の解約や不動産の名義変更など100種類以上もの手続きがあります。

身近な人が亡くなった後は、抵当権の債務者変更登記以外にもたくさんの手続きが必要になります。

その数は細かいものまで含めると100種類以上にも及び、それぞれに問い合わせ先、必要書類、手続きの期限などが異なります。

すべての方が100種類の手続きが必要になるわけではないですが、普通の方でも数十種類の手続きは必要になるでしょう。

代表的な手続きとしては以下のようなものがあります。

  • 死亡届
  • 火葬(埋葬)許可申請書の提出
  • 運転免許証・パスポートの返還
  • 公共料金の名義変更・支払い方法変更
  • 携帯電話の解約
  • クレジットカード契約等各種契約の清算・解約
  • 葬祭費・埋葬料の請求手続き
  • 未支給年金・遺族年金・寡婦年金・死亡一時金の受給手続き
  • 生命保険金の請求手続き
  • 相続放棄
  • 相続人の調査(戸籍収集)
  • 相続財産の調査
  • 財産目録の作成
  • 遺産分割協議(遺産分割協議書の作成)
  • 預貯金の名義変更・解約払い戻し手続き
  • 株式など有価証券類の名義変更・解約手続き
  • 不動産の名義変更手続き(相続登記)
  • 所得税の準確定申告
  • 相続税の申告
  • そのほか100種類以上の手続き

これらの中には期限が決まっているものもあり、手続きをしないことによって相続人の方が大きな不利益を被る可能性があるものもあります。

下記リンク先の記事で亡くなった後に必要な120の手続きリストを公開しておりますので、自分に必要な手続きをチェックして、期限までに忘れることなく手続きを終わらせましょう。

身近な人が亡くなった後に必要な120の手続きリストはこちら

そんなにたくさんの手続きを自分で行うのは面倒・・・誰かにおまかせできる?

当事務所の「相続まるごとおまかせプラン」では、死後に必要なあらゆる手続きをおまかせいただけます。

死亡後の手続きは多種多様であり、慣れない方には骨の折れる作業も多いです。

特に官公署や金融機関の遺産相続手続きでは、揃えるべき書類や申請書類の書き方についても厳格に決められているので大変な思いをすることも少なくありません。

ただでさえ面倒な手続きを仕事や家事育児の合間を縫って行うのは難しい、誰かに任せられるなら任せたいと考える方も多いと思います。

当事務所では100種類以上の手続きについてサポート可能な『相続まるごとおまかせプラン』をはじめ、面倒な相続手続きをおまかせできる様々なプランを用意しています。

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抵当権の債務者変更登記が必要な方は司法書士に相談しましょう!

抵当権の債務者変更登記を自分自身で行う事はほとんどないと思いますが、依頼する司法書士については選べることが多いです。

相続を専門とする司法書士に相続登記やその他の手続きを含めて依頼すれば、金融機関とのやり取りや必要書類の手配も代行してくれるので、手続きにかかる手間や費用を軽減できます。

相続をめぐる事情は人によって千差万別であり、手続きを難しいと感じるかも人それぞれなので、抵当権の債務者変更登記を含む死後に必要な手続きについて、ご自身で行うのが難しいと感じている方は、お早めに死後手続き・相続手続き全般に詳しい専門家へ相談することをおすすめします。

抵当権の債務者変更登記を含む相続手続きについてのご相談は当事務所で承ります。ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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