子なし夫婦の相続登記が未了、相続人は20名以上⁉【相続登記を放置した結果、面識のない方含む多数の相続人の協力が必要になったケース】

相続登記をしようとしたら、相続人が20人以上!高齢の私には手に負えない…
相続登記をしようとしたら、相続人が20人以上!高齢の私には手に負えない…

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

ご相談前の状況

亡くなった兄の亡妻の相続についてのご相談。

兄の自宅の名義変更を行おうと登記簿を確認したところ、20年以上前に亡くなった兄の亡妻名義のままであることが判明。

兄夫妻には子供がおらず、兄の相続人はご相談者様を含む兄弟姉妹及び甥姪6名で、全員から同意を得ているとのこと。

しかし、義姉の相続人は兄弟姉妹や甥姪など少なくとも20名以上いる見込みで、ほとんどの方が連絡先も知らないという状況。

対象の不動産は地方にあり、価値は高くないため欲しがる人はいないと思うが、他の相続人の意向確認含めてとても高齢の自分の手には負えないということで相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 相続発生後20年以上経過しているため、複数の相続人が亡くなっており、現在の相続人が誰であるか正確にはわからない
  • 現在の相続人が誰かを確定するために、膨大な数の戸籍を取得し、相続関係を確認する必要がある。
  • 面識のない方を含む相続人全員と連絡を取り、事情を説明した上で、相続に関する意向を確認する必要がある。
  • 全員の意向が確認できたら、その内容に従って作成した書面に署名捺印を貰い、印鑑証明書を提出してもらわなければならない。
  • 相続人が全国各地に離れて暮らしているため、郵送等でのやり取りにかなり手間がかかる。
  • 対象の不動産が遠方にあるため、登記に必要な書類を自分で集めるのが難しい。
  • 相談者様は高齢のため、自分で動くことは難しい。

当事務所からのご提案

亡くなった方の不動産の名義変更をしようとしたところ、すでに死亡している父母や配偶者名義のままだったということは珍しくありません。

本件でも、20年以上前に亡くなった義姉名義の不動産について、財産的価値が高くなかったという事もあり、放置されている状況でした。

相続登記をしないまま時間が経過すると、当初の相続人に相続が発生してしまい、関係者が増え、事態は複雑化してしまいます。

本件では、当初ご相談者様は自分の兄弟や甥姪に協力してもらえばいいと考え、すでに同意を得られていましたが、ふたを開けてみれば義姉側の相続人の協力も必要なことが判明しました。

自分で少し調べたところ、義姉が亡くなったのが20年以上前のため、新たに複数の相続が発生しており、現在の相続人は少なくとも20名以上になると思われるとのことでした。

しかもほとんどの方と面識がないため、これはもうお手上げという事で各相続人への説明や意向確認含めて専門家にまかせたいとのご意向でした。

そこでまずは当事務所で相続関係の調査のために戸籍を集め、判明した現在の相続人に連絡を取って話し合いの調整を行い、その後の必要書類の手配や相続登記まで代行させていただくことになりました。

このように解決しました

  • 二次相続、三次相続含め膨大な量の戸籍を収集し、現在の相続人を確定することができました。
  • 連絡先が分からない相続人については、戸籍の附票を取得し、現住所を確認しました。
  • 全国各地にいる合計29人の相続人に一人ずつ連絡を取り、相続の意向を確認しました。
  • 面識のない相続人の方については特に慎重な対応が必要なため、書面等で丁寧に事情を説明しました。
  • 当事務所からの連絡・説明の結果、はんこ代を要求する方もなく、不動産はご相談者様が相続することで話がまとまりました。
  • それぞれの意向を踏まえた上で、手続きをできるだけ簡略化するために、相続分譲渡証明書と遺産分割協議書を作成しました。
  • 作成した書面を各相続人に一部ずつ送付し署名捺印の上、印鑑証明書と一緒に郵送していただくよう手配しました。
  • 必要書類を整え、法務局に相続登記申請を行い、無事に名義変更が完了しました。
  • 自分だけではとても解決できなかったということで、ご依頼者様に大変お喜びいただけました。

担当者からのコメント

相続登記は、以前はしないことによる罰則がなかったため、登記をしないまま何年も放置されてしまう方も少なくありませんでした。

しかし、相続登記をしない間に次の相続が発生してしまい、相続関係が複雑化してしまうと、その度に手続きを行うことがより困難になってしまいます。

特にこのケースのように子供がいない夫婦の場合は兄弟姉妹が相続人となるため、時間が経てば経つほど相続人との関係性が薄くなり、全く面識がないという事も珍しくありません。

幸いにも本件では関係者全員と連絡が取れ、快く協力してくれましたが、連絡が取れない場合や協力して貰えない場合、遺産分割調停や審判等の手段を取らざるを得ません。

本件でも、妻が亡くなってからすぐに手続きを行っていれば、はるかに労力は少なかったはずです。

2024年以降、相続登記は罰則(10万円以下の過料)付きで義務化されたため、相続登記をしないことにより、経済的にもデメリットが生じることになりました。

次の世代に迷惑をかけないためにも、相続が発生したらすみやかに司法書士に相談するなどして、登記を完了させましょう。

また、子供がいない夫婦の方は、残された方に負担をかけないためにも、必ず遺言書を作成しておきましょう。

当事務所では、相続発生から50年以上経過したケースなど、長期間放置してしまったため相続関係が複雑化した相続登記・相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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