数年前に死亡した音信不通の父の相続放棄をしたい…【全く交流のない父について死亡から長期間経過後に相続放棄したいケース】

存在すら忘れていた父について書類が届いた!

ご相談前の状況

お父様が亡くなられた方からのご相談。

父と母は幼いころ離婚しており、その後全く交流もなかったが、最近になってあるクレジットカード会社から父らしき人物のクレジットカード利用代金について相続の状況を確認したいという内容の手紙が届いたとのこと。

父については全く記憶もなく、はじめは手紙の名前を見ても誰かわからなかったほどだが、母に確認したところ父の氏名であることが判明したとのこと。

状況確認のためクレジットカード会社に問い合わせてみたが、こちらが父の死亡年月日すら知らないせいか要領を得ないやり取りとなってしまい、債権額等含めて詳細は把握できなかったとのこと。

父の親族との交流も無く、死亡時の住所などの情報が何もないという事で困り果てて相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 父について氏名以外の情報がまったくないため、相続放棄に必要な死亡時の住所など、どうやって調べれば良いかわからない。
  • 相続放棄は基本的に死亡事実を知ってから3か月以内に裁判所に申し出る必要があるが、債権者から手紙が届いた時点で既に3か月が経過していた。
  • 新型コロナウイルスの感染拡大もあり、債権者から手紙が届いてから相談までに数か月経過していた。

当事務所からのご提案

相続放棄には期間制限があり、原則として相続発生日から(又は死亡の事実を知ってから)3か月以内に裁判所に申し出る必要があります。

後に判明するのですが、今回のケースではお父様が亡くなったのは3年以上前であり、債権者から手紙が届いた時点で相続発生から3か月が過ぎていました。

ただし、今回は債権者(クレジットカード会社)からの連絡によりはじめて死亡を知ったため、「死亡の事実を知った日」から3か月以内に手続きを行えば、相続放棄は可能です。

ところが、債権者から手紙が届いた時期は折しも新型コロナウイルスの感染拡大で世の中が騒然としており、事実関係の調査もままならないという状況でした。

そのような状況で数か月が経過してしまい、債権者から手紙が届いた日(又は債権者に連絡をした日)を「死亡の事実を知った日」とすると、すでに3か月以上経っており、相続放棄できないとも考えられました。

しかし、実は期限内に相続放棄をしなかった(若しくはできなかった)ことについて相当な理由がある場合は、3か月以上が経過していても放棄が認められることがあります。

今回は、上記のような状況だったため、期限内に相続放棄ができなかったとしても仕方がないものと思われました。

そこで、当事務所で上記のような事情を説明し、相当な理由があったことを認めてもらうための上申書(事情説明書)を作成し、相続放棄の申述書と一緒に提出させていただくことを提案しました。

また、今回は故人の情報が無いため、相続放棄手続きに必要な戸籍謄本の取得や住所の調査が難しいとのことでした。

そこで、当事務所で戸籍収集、申述書等の提出代行、裁判所から届く照会書の回答支援等、相続放棄に関する手続きを一貫してサポートさせていただくことを提案しました。

このように解決しました

  • 当事務所で戸籍等の調査を行い、正確な死亡日や死亡時の住所等、相続放棄の申述に必要な情報を把握しました。
  • 申立人が自己のために相続開始があったことを知ってからは3か月が過ぎていないという事を裁判所に説明するための上申書を作成しました。
  • 戸籍謄本等の必要書類を揃え、相続放棄申述書、上申書と一緒に裁判所に提出しました。
  • 相続放棄申述書提出後に、裁判所から届く照会書(回答書)について回答のサポートをさせていただきました。
  • 審理の結果、無事相続放棄は認められました。

担当者からのコメント

このケースのように、事情によって期限内に申し立てができなかったという方はたまにいらっしゃいます。

今回のように、3か月の期限内に相続放棄ができなかったことにつき、相当な理由がある場合には例外的に3か月経過後の放棄が認められることもあります。

ただし、相当な理由については裁判所に対してきちんと説明すべきです。

申立内容に虚偽があった場合、後になって債権者から争われ、相続放棄の効力が否定されることもあります。

そのため、弁護士や司法書士などの専門家であっても、それほど詳しくない方に相談すると、今回のようなケースでは放棄できないと言われる可能性があります。

理由の相当性については、実際に経験を積まないと判断が難しいからです。

相続放棄のチャンスは一度きりなので、3か月を過ぎてしまっているけれど相続放棄をしたい、という方は、相続放棄の実務経験豊富な司法書士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

当事務所ではこれまでに3か月経過後の相続放棄について、数多くのサポート実績があり、そのほとんどが受理されております。

ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。

スピーディに相続放棄をお手伝い!くわしくはこちら

3か月経過後の相続放棄についてはこちらの記事もご参照ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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