不動産の表記が異なる…捺印済の協議書に記載間違いがあったらどうすればいい?【遺産分割協議書に不動産の記載間違いがあったケース】

あとは登記するだけ…のはずが、肝心の不動産について記載の誤りが!

ご相談前の状況

お父様が亡くなられた方からのご相談。

相続人はお子様二人。

遺産分割協議がまとまったので相続登記をお願いしたいという事でいらっしゃいました。

署名捺印済みの遺産分割協議書をご持参いただいたので、確認させていただいたところ、不動産のうち一つの物件の表示が登記簿上の地番と異なるという事が発覚しました。

問題点

  • 遺産分割協議書に記載された不動産の地番等の表示が登記簿と異なる場合に、そのまま登記ができるか。
  • そのままでは登記ができない場合、どのような対応が必要か。

当事務所からのご提案

相続を理由とする不動産の名義変更(相続登記)は、必要書類を揃えて、不動産を管轄する法務局に申請をします。

そして多くの場合、相続人全員の署名捺印のある遺産分割協議書を添付書類として提出します。

この遺産分割協議書に記載間違いがある場合は、基本的にそのままでは登記はできません。

ごく軽微な記載違いであれば訂正しなくて済むこともありますが、このケースでは不動産の地番の一部が全く異なっていたため、訂正をしなければ登記が通らないことは確実でした。

このような場合、間違った箇所を二重線で消して訂正をすれば大丈夫なのですが、相続人同士の関係が微妙な場合は訂正印をもらうのが難しいこともあります。

このケースも相続人間で揉めた末に弁護士を付けてようやく協議がまとまったというケースだったため、当人同士で話をするのは難しいとのことでした。

ただ、協議書を作成したのは弁護士だったため、弁護士経由で相手方相続人(不動産を取得しない方)に連絡は取ってもらえるかもとのことでした。

そこで、弁護士を通じて相手方に連絡を取り、遺産分割協議書に訂正印をもらうか、別途覚書を作成してもらって、正確な地番が記載された書類を揃えたうえで登記を申請することを提案しました。

このように解決しました

  • 弁護士を通じて相手方に連絡を取り、不動産の記載について別途覚書を作成してもらうことができました。
  • 作成した覚書を遺産分割協議書その他の必要書類と共に管轄の法務局に提出し、無事登記を完了させることができました。

担当者からのコメント

最近では、インターネットや書籍等で相続についての情報を目にすることも多く、遺産分割協議書を自分で作成される方もいらっしゃいます。

しかし、遺産分割協議書に記載間違いや記載漏れがあった場合、相続人全員に実印を押印してもらい、訂正する必要があります。

特に不動産については登記申請の際に法務局で厳格にチェックされるので、登記簿上の記載と全く同じように記載しておく必要があります。

そのような手間を省くために、捨印を押しておけば軽微な間違いについては訂正できるのですが、専門家でない方が作成した書面に捨印を押すのは抵抗があるという方も多いでしょう。

とは言っても、今回のように法律の専門家が作成した協議書でさえ、記載間違いがあるのですから、一般の方が間違いのない正確な遺産分割協議書を作成するのは大変な作業です。

また、信用していないわけじゃないけど他の相続人の作成した協議書に実印を押すのは抵抗がある、協議書の内容で万が一にも揉めることのないようにしておきたいと考える方も多くいらっしゃいます。

協議書の記載をめぐってトラブルになることを防ぐためには、早めに相続に精通した専門家に相談することをおすすめします。

また、今回のような記載間違いでなくても、協議書の記載内容によっては登記ができないこともあります。

私も税理士や弁護士の作成した協議書を見る機会は多いのですが、相続税申告の際の添付書面や、当事者同士の確認書面としては問題のない内容であっても、登記には使えないという事も珍しくありません。

相続手続きの中でも相続登記は司法書士の専門領域であり、特有のルールもあるので、相続財産の中に不動産がある場合は、必ず司法書士に相談することをおすすめします。

当事務所では、遺産分割協議書の作成や相続登記について数多くのご相談・ご依頼をいただいており、遺産分割協議書の記載間違いがある場合の対応についても多数の実績がございます。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

相続登記サポートについてくわしくはこちら

遺産分割協議書の作成方法についてくわしくはこちらをご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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