司法書士が教える「仲の良い甥や姪にだけ」財産を相続させる方法とは

著者情報

司法書士法人東京横浜事務所
代表/司法書士 田中 暢夫
年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。相続案件を中心に、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
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司法書士法人東京横浜事務所
代表/司法書士 田中 暢夫
年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。相続案件を中心に、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
「子どもがいないので、何かと面倒を見てくれる姪に財産を遺したい」
「可愛がってきた甥の将来のために、自分が亡くなった後にまとまったお金を譲りたい」
ご自身の終活や相続について考え始めた方の中から、このようなご相談をいただく機会が増えています。
子供がいない方の場合、仲の良い甥や姪に財産を遺したいと考えるのは自然なことです。
しかし、生前に正しい対策を取らなければ、財産は法律の規定通りに他の相続人へと分散してしまいます。
本記事では、よくある相談事例をベースにして、相続の基礎知識から特定の甥姪に相続させる方法や注意点まで詳しく解説します。
司法書士田中暢夫一般的な知識の解説にとどまらず、現役の司法書士である筆者の経験に基づく実用的なアドバイスもお伝えしします。
筆者はこれまで「遺言書がないので相続人全員で遺産を分け合うことになったけど、本当は仲の良い甥や姪だけに財産を遺したかったんだろうな…」というケースを沢山見ています。
本記事をお読みの方にはそうなってほしくないので、これを読んで、ぜひ行動に移してください。

【相談事例】仲の良い姪にだけ財産を相続させることは出来ますか?

【相談の概要】
私は独身で子供もおらず、一人暮らしをしています。
最近けがをして通院することになったことをきっかけに、老後の独居生活や相続の問題について悩み始めました。
私には3人のきょうだいがいます。
上の兄は10年以上前に亡くなり、もう一人の兄とは疎遠ですが、姉とは昔からとても仲良くしています。
また、姉の子である姪のことは我が子のように可愛がってきましたし、姪も私を気遣って頻繁に身の回りの世話をしに来てくれます。
明確な約束はしていないけれど、姪には今後も最低限の老後の面倒や死後の手続きをお願いし、その代わりに私の財産をすべて姪に渡したいと思っています。
何年も会っていない兄や甥たちに財産を渡す必要はないと思うので、姪にだけ財産を渡せるような方法があればいいのですが…
【現在の家族関係】
| 続柄 | ご相談者様との関係性 | 家族構成 | 現在の法定相続分 |
| ご相談者様 | 本人 | 独身・子供なし | - |
| 亡兄 | 10年以上前に死亡 | 既婚・子供1人 | - |
| 姉 | とても仲が良い | 既婚・子供2人 | 1/3 |
| 兄 | 疎遠 | 既婚・子供なし | 1/3 |
| 甥(亡兄の子供) | 疎遠 | 既婚・子供1人 | 1/3 |
| 姪(姉の子供) | とても仲が良く財産を遺したいと思っている | 既婚・子供2人 | 無し |
| 甥(姉の子供) | 年に一度会う程度 | 未婚・子供なし | 無し |

私のケースで仲の良い姪にのみ財産を遺す方法はありますか?
司法書士田中暢夫生前に遺言書等の対策を取ることで、すべての財産を姪御さんに遺すことが可能です。
以下、この相談事例をもとに、「特定の甥・姪に自身の財産を相続させる方法」について相続の実務家の視点から解説します。
甥姪が相続人になるケース
民法では、下記のように相続人の優先順位が定められています。
■相続人の相続順位
| 亡くなった人から見た関係 | 相続順位 |
| 配偶者 | 常に相続人 |
| 子 | 第1順位 |
| 直系尊属(父母、祖父母など) | 第2順位 |
| 兄弟姉妹(甥姪) | 第3順位 |
※第2順位以降の後順位者は先順位者がいない場合にのみ相続人となる
甥姪が相続人になるのは、亡くなった人に子供がおらず、両親も亡くなっており、甥姪の親であるきょうだいも亡くなっているケースです。
司法書士田中暢夫きょうだいが複数人おり、存命の方と亡くなっている方がいる場合、存命のきょうだいのみが相続人になるという勘違いも多いです。
もし既に亡くなっているきょうだいに子供がいる場合は、その子供が代わりに相続人となります。(代襲相続といいます)
甥姪の法定相続分は他の相続人の有無によって異なる
甥姪が相続人になる場合の法定相続分は、被相続人(亡くなった方)の配偶者の有無や他の兄弟姉妹(甥姪)の有無によって異なります。
■配偶者がいる場合
亡くなった方に配偶者と兄弟姉妹・甥姪がいる場合、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹と甥姪が4分の1です。
兄弟姉妹が複数いる場合は4分の1を人数で均等割りし、甥姪は親である兄弟姉妹の取り分を人数で均等割りします。

■配偶者がいない場合
亡くなった方に配偶者がおらず、兄弟姉妹・甥姪がいる場合は、兄弟姉妹と甥姪がすべての財産を取得します。
兄弟姉妹が複数いる場合は人数で均等割りし、甥姪は親である兄弟姉妹の取り分を人数で均等割りします。

「兄とは長年疎遠なので相続させる必要はなさそう」「お世話になっている姪にたくさん財産を残したい」など、家族・親族関係を考慮して特定の相続人に多く相続させたいと考えるのは普通のことです。
しかし、上記のとおり亡くなったときの相続関係によっては、仲の良い・お世話になった甥姪と他の相続人の法定相続分が同じだったり、むしろ少なかったりすることもあります。
司法書士田中暢夫ご相談者様の場合、現時点では姪御様は法定相続人に該当せず、相続できない可能性があります。
だからこそ、確実に財産を遺すための生前対策が必須です。
特定の甥姪に財産を相続させるための生前対策

相続関係によっては姪に財産が渡らない可能性があるんですね。
私は姪に渡したいのに…生前に贈与した方がいいんでしょうか?
司法書士田中暢夫生前贈与は贈与税等がかかるうえ、すべての財産を渡すことは現実的ではありません。ご相談者様の場合、遺言書作成などの生前対策をしておくことで、姪御様にだけ財産を渡すことができます。
相続関係に関わらず特定の甥や姪だけに財産を相続させるための方法としては、下記の3つが考えられます。
以下、それぞれについて解説します。
遺言書を作成する
特定の甥・姪に財産を相続させる方法として、まず考えるべきは遺言書の作成です。
遺言書があれば、亡くなった後に相続人同士で遺産の分け方について話し合う必要はなく、残された家族の負担が大幅に軽減されます。
また、遺言は法定相続分より優先されるため、姪が法定相続人ではない場合でも財産を遺すことができます。
相続人が兄弟姉妹や甥姪しかいない場合、他の相続人から遺留分を請求されることもないため、姪にすべての財産を相続させる旨の遺言があれば、そのとおり相続させることができます。
司法書士田中暢夫遺言書の有効性をめぐり争いにならないように、遺言書は自筆ではなく公正証書で作成することをおすすめします。
家族信託を活用する
自宅不動産など特定の財産を遺したい場合、家族信託の活用により相続対策と認知症対策を同時に行うのも有効です。
家族信託とは、財産の所有者が家族などの信頼できる人に財産を託し、託された人が財産の管理・運用・処分などを行う仕組みのことです。
独身で子供がいない場合、相続問題のほかに「認知症になった場合に誰が財産を管理するのか」という問題があります。
■家族信託は相続対策だけでなく認知症対策にも有効

本件事例で言えば、家族信託を活用することで、生前はおばのために姪が財産管理を行い、おばが亡くなった後は希望どおり姪に財産を遺すことができます。
家族信託は、本人が認知症になった後の財産管理対策として有効ですが、契約の際に自分が亡くなった後の財産の取得者ついても定めることができるため、相続対策としても効果的です。
ただし、家族信託で死後の帰属先を決められるのは信託した財産のみです。
全財産を信託することは現実的ではないので、すべての財産を特定の方に残したい場合は遺言書と併用することが必要です。
司法書士田中暢夫家族信託は遺言書と比べてより専門的知識と経験が求められるため、司法書士などの専門家に相談の上で活用を検討しましょう。
養子縁組をする
「特定の甥や姪にのみ財産を相続させる」という目的を実現させるためには、養子縁組するという方法もあります。
甥姪との養子縁組が成立すると、法律上の親子関係が生じるため、子(養子)として第1順位の相続人となります。
その結果、他の兄弟姉妹や甥姪は法定相続人ではなくなり、養子になった甥・姪だけが相続人としてすべての財産を相続することができます。
親子関係が生じることで、相続税の2割加算もされないというメリットもあります。
一方、養子縁組には下記のようなデメリットもあります。
- 甥姪の名字がおば(おじ)の名字に変更になる場合がある。
- 養子縁組を解消するためには甥姪の同意が必要となるため、甥姪との関係性が変わっても養子縁組を解消するのは難しい。
- 法定相続人の人数が減ることにより、相続税の負担が大きくなる場合がある。
- 特定の方が相続人になることにより、親族間での争いに発展する恐れがある。
独身で子供がいない方が養子縁組する場合、養子が財産を独り占めすることになるため、養子縁組の有効性を巡って争いになりやすいです。
本当の親子同然の関係であれば問題はありませんが、財産を相続させるためだけであれば遺言書など他の方法の方がいいかもしれません。
司法書士田中暢夫実際のところ、養子縁組は戸籍や苗字の変更を伴うこともあるため、甥・姪本人やその親から心情的な問題で難色を示されるケースも多いです。
特定の甥姪に財産を相続させたい場合は遺言書の作成が必須

なるほど…結局のところどの方法が最も有効なんでしょうか?
司法書士田中暢夫遺言書の作成は必ず行っておくべきです。
また、状況に応じて家族信託と併用することで、将来的に意思能力が低下した時の財産管理までカバーすることができます。
特定の甥・姪に財産を相続させるためには、「姪(甥)に全財産を相続させる(遺贈する)」という遺言書を作成することが、もっともシンプルかつ効果的な方法です。
ただし、せっかく遺言書を遺しても、内容によっては思わぬトラブルが生じることもあります。
残された方に負担をかけないように、遺言書を作成する際は以下の点に注意してください。
遺言作成時には必ず遺言執行者を指定しておく
遺言書を作成する際は、専門家を遺言執行者に指定しておくことをおすすめします。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、金融機関の解約や不動産の名義変更等の相続手続きを行う者です。
遺言書で遺言執行者が指定されていれば、他の相続人の同意や協力を得ることなく、執行者が単独で相続手続きを行うことが可能です。
遺言執行者には特定の資格は不要なため、「遺言執行者も姪(甥)にお願いすればいいのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、遺言執行者には相続人全員への遺言内容の通知義務(民法第1007条2項)、相続財産目録の作成・交付義務(民法第1011条)等の法定の義務があり、慣れない方にとっては大変な負担となります。
また、たとえ遺言書の内容に問題がなくても、財産をもらえない他の相続人とやりとりすることで、感情的なトラブルが起きる可能性はあります。
相続に精通した専門家を遺言執行者に指定しておけば、法律に則り粛々と進めるため、残された甥姪が相続手続きや他の相続人とのやり取りで苦労することはありません
司法書士田中暢夫当事務所でも、遺言執行者として指定されたものの、とても自分の手には負えないというご相談をよく受けます。
遺言執行者に指定されたものの専門家に代行をお願いしたいとご相談いただいた事例はこちら

遺言書の内容に不備があると他の相続人の協力が必要になる可能性がある
せっかく遺言書を作成しても、その内容に不備があると、相続手続きを進めるにあたり他の相続人の協力が必要になる可能性があります。
「自分で書いた遺言書ならともかく、公証人にチェックしてもらった公正証書遺言なら間違いないはず」と思うかもしれません。
確かに、公証人は法的に不備の無い遺言書の作成は行ってくれますが、財産の記載漏れまではチェックしてくれません。
また、公証人は相続手続きの実務家ではないため、実際の相続手続きでどのようなトラブルが起こり得るかを想定するのは難しいでしょう。
司法書士田中暢夫これまでご依頼を受けた中でも、公正証書遺言の内容不備が判明したため、他の相続人との遺産分割協議が必要になったケースは一度や二度ではありません。
財産を貰えない他の相続人に協力をお願いしても、快く協力してくれる方ばかりではありません。
解決のために、はんこ代・解決金の支払いや裁判所での手続きが必要になる事もあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、遺言書を作成する際は相続に精通した専門家に依頼することをおすすめします。
公正証書遺言に財産の記載漏れがあり遺産分割協議が必要になった事例はこちら

万が一に備えて予備的遺言も遺しておく
万が一自分より先に甥姪が亡くなった場合に甥姪の子供に財産を遺したい場合は、その旨を予備的遺言として遺言書に盛り込んでおきましょう。
予備的遺言とは、遺言者と推定相続人(又は受遺者)の亡くなる順番が逆になった場合に備えて、予備的に財産の取得者を指定しておく遺言のことです。
後述のとおり、甥姪が遺言者より先に亡くなっていた場合、その子供は法定相続人にはなりません。
甥姪の子供に財産を渡すためには必ず遺言書が必要となるので、もしもの時に備えて予備的遺言を記載しておきましょう。
予備的遺言の記載がなかったため、多数の相続人による遺産分割協議が必要になった事例はこちら


甥姪のために遺言書を作成した実際の事例

とりあえず遺言書は作成しようと思います。
遺言書作成の注意点についてはなんとなく理解できましたが、自分の場合にどう当てはめればいいのか…いまいちイメージがわきません。
司法書士田中暢夫実際の事例を見た方が理解しやすいので、実際に当事務所がサポートした事例をご紹介します。
以下、実際に当事務所がサポートした事例をもとに、甥姪に財産を遺すための遺言書作成のポイントをご紹介します。
事例① お世話になっている甥にすべての財産を相続させたいケース

【事例の概要】
遺言書の作成をご検討中の方からのご相談。
先日ご主人様を亡くされ、お子様もいないため、現時点での法定相続人は兄弟姉妹及び甥姪5人。
夫が亡くなって以来、遠方から足を運んで何かと面倒を看てくれている甥達にすべての財産を相続させたいという事で相談にいらっしゃいました。
【相談時点での法定相続割合】
| 法定相続人 | 法定相続分に基づく相続割合 |
| 弟C | 1/3 |
| 甥D(兄Aの子) | 1/6 |
| 甥E(兄Aの子) | 1/6 |
| 姪F(姉Bの子) | 1/6 |
| 甥G(姉Bの子) | 1/6 |
【懸念点】
- お世話になっている甥2人(甥D、甥E)にすべての財産を遺したいが、何もしないと相続発生後に他の兄弟姉妹や甥姪から権利を主張されてしまう。
- 遺言を遺すとしても、後で揉め事にならないようにきちんとした形で作成する必要がある。
- 万が一、亡くなる順番が逆になった場合に備えて対策しておく必要がある。
- 財産を貰う方の負担にならないように、亡くなった後の手続きについても対策しておく必要がある。
【司法書士による提案と実行】
上記の状況及び懸念点を受けて、当事務所の司法書士から下記のとおり提案を行い、実行しました。
- 相続関係や財産状況、遺言を遺すにあたっての想い等を詳しく伺い、ご希望を確実に実現するための遺言書の原案を作成しました。
- 万が一亡くなる順番が逆になったときに備えて、「甥DEのどちらかが遺言者より先に亡くなっていた場合は、残りの一人にすべて相続させる」旨の予備的遺言も盛り込みました。
- 財産を貰わない相続人への配慮として、遺言書を遺した理由や遺言者様の心情等を付言事項に盛り込みました。
- 公証人と調整を行い、司法書士が証人として立ち会いのもと、法的不備のない公正証書遺言を作成しました。
- 遺言で当事務所を遺言執行者に指定していただき、遺言書正本をお預かりさせていただきました。
- 相続発生後の他の方とのやり取りや手続きについての負担が無くなり、遺言者様亡き後についても安心していただくことができました。
この事例の詳細についてはこちら

事例② 死後手続きにかかる姪の負担軽減のために遺言を作成するケース

【事例の概要】
伯母様に遺言を作成して欲しいという方からのご相談。
現時点での推定法定相続人は兄弟姉妹や甥姪複数人。
相続手続き含む死後の手続きについて不安があるとのこと。
伯母には子供がおらず、夫もすでに亡くなっているので、死後の手続きは自分が行うことになると思うが、他の相続人の同意を得るなどの面倒なことはできるだけ避けたいので遺言を作ってもらいたい。
ただ、伯母にはわずかな預貯金以外に財産と呼べるものは無いので、そのような場合でもあえて遺言を作る必要はあるか疑問に思ったため、相談にいらっしゃいました。
【相談時点での法定相続割合】
| 法定相続人 | 法定相続分に基づく相続割合 |
| 兄A | 1/4 |
| 妹C | 1/4 |
| 姪E(ご相談者様・姉Bの子) | 1/4 |
| 甥F(弟Dの子) | 1/8 |
| 姪G(弟Dの子) | 1/8 |
【懸念点】
- 相続が発生すると、遺産分割協議や相続手続きのため相続人全員の同意が必要になるが、相続人が多数いるため難航することが予想される。
- 残された方の負担にならないように、亡くなった後の手続きについて対策しておく必要がある。
【司法書士による提案と実行】
上記の状況及び懸念点を受けて、当事務所の司法書士から下記のとおり提案を行い、実行しました。
- 相続関係や財産状況等を詳しく伺い、残された方の負担にならないようにするための遺言書の原案を作成しました。
- 財産額が少なく揉めるリスクも無かったので、手間と費用の節約のため、原案をもとに自筆の遺言書を作成していただきました。
- 相続が発生した後の負担を軽減するために、遺言の中で財産を貰う方(ご相談者様)を遺言執行者に指定していただきました。
- 当事務所で、作成した遺言書のチェックを行い、法的に有効な遺言であることを確認しました。
この事例の詳細についてはこちら


甥姪が相続する場合の注意点

事例のおかげで遺言書作成のイメージと意欲が湧いてきました。
甥姪に相続させるにあたって、ほかに注意しておいたほうがいい点はありますか?
司法書士田中暢夫甥姪が財産を相続する場合特有の注意点として、下記の3つは抑えておきましょう。
- 兄弟姉妹や甥姪には遺留分が無い
- 「再代襲相続」がない
- 相続税が2割加算される
以下、それぞれについて解説します。
兄弟姉妹や甥姪には遺留分が無い
兄弟姉妹や甥姪には「遺留分」がありません。
遺留分とは、兄弟姉妹(甥姪)以外の法定相続人に認められた最低限の遺産の取り分のことです。
自分の貰える財産が遺留分を下回る法定相続人は、遺言書で遺産の分け方が指定されている場合に、多く貰う方に対して不足分の金銭の支払いを求めることができます。
しかし、兄弟姉妹や甥姪が法定相続人になる場合に遺言書が残されていれば、例え特定の一人にのみ財産を渡すという内容だとしても、他の相続人は金銭の支払いを求めることはできません。
司法書士田中暢夫兄弟姉妹や甥姪が法定相続人になる場合、遺言書を書いておけば、遺言者の希望を100%実現できるという事になります。
遺留分についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

「再代襲相続」がない
被相続人より先に甥姪が亡くなっている場合に、さらにその子供が相続人になることはありません。
被相続人の直系卑属(子供、孫、ひ孫)は、下の世代がいる限り代襲相続人になりますが、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りで、再代襲相続は認められません。
甥姪まで先に亡くなっているときは、その下の世代がいても相続権を引き継がず、他の相続人の相続分が増えることになります。
たとえば、「お世話になった姪にすべての財産を相続させる。」という遺言書を遺していても、姪の方が先に亡くなっていた場合、姪への相続は無効となるため、遺産は法定相続人で分け合う事となります。
しかし、姪の子供は法定相続人ではないので遺産は一切貰えません。
司法書士田中暢夫甥姪に万が一のことがあった場合はその子供に財産を渡したいのであれば、必ず遺言書を作成し予備的遺言を遺しておく必要があります。
相続税が2割加算される
甥姪は、相続税の2割加算の対象になります。
相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人である孫を含む)及び配偶者以外である場合は、その人の相続税額は、本来の相続税額の2割に相当する額が加算された金額となります。
甥や姪は血族3親等にあたるため、相続税は2割増しとなります。
司法書士田中暢夫相続税は少なからず財産取得者の負担になるので、相続税の基礎控除額を超える財産をお持ちの場合は、遺言書と併せて節税対策も検討しましょう。
甥姪に財産を相続させたい場合は専門家に相談を
特定の甥姪にだけ財産を相続させたい場合、遺言書をはじめとした生前対策が重要になります。
本記事では遺言書の作成を中心に解説しましたが、実際には個人の事情や親族関係に応じた対策を行うことになります。
適切な対策を検討するにあたっては、法務面や税務面だけでなく、死後の手続きで起こり得る実務的な問題も考慮する必要があるため、机上の知識だけでは不十分です。
生前対策は分野横断的な対応が必要という事もあり、専門家の中でも提案力に大きな差が出やすいので、相続実務の経験が豊富な専門家に相談の上で対策することをおすすめします。
司法書士田中暢夫生前対策と死後手続き両方の経験が豊富な専門家は意外と少ないので、ホームページで実際の事例を公開している場合は参考にするといいでしょう。

よくある質問
ここからは、甥姪が関係する相続や生前対策のご相談の際によく受ける質問を、Q&A形式で解説します。

まとめ
甥や姪に財産を遺したいと考えていても、何も対策をしなければ、その希望どおりに相続されるとは限りません。
特に、特定の甥姪にだけ財産を遺したい場合には、遺言書を作成しておくことが重要です。
遺言書を作成することで、希望通りの遺産相続が可能になるだけでなく、死後の手続きの負担を大きく軽減することができます。
とはいえ、生前対策は正しい知識を持って行わなければ、効果がないどころか、逆効果になってしまうこともあり得ます。
大切な甥・姪のことを考えるのであれば、相続に精通した専門家に相談のうえ、正しく対策することをおすすめします。
※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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