子供のいない夫婦で夫が死亡、遠方の義父との話し合いが必要・・・【地方在住の義父との遺産分割協議が必要なケース】

遠方に住む義父と遺産分割の話し合いをしなければならない…

ご相談前の状況

ご主人様が亡くなられた方からのご相談。

お子様がいないご夫婦のため、相続人は妻と父。

ご相談者様は東京在住で義父は地方在住のため直接話をするのが難しく、高齢のため電話でのやり取りにも不安があるということで相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 相続手続を行うにあたり、遠方に住む義父と遺産の分け方について話し合う必要がある。
  • 公平な遺産分割のため、財産調査をしっかり行い、財産目録を作成して開示する必要がある。
  • 預貯金の分配は公平な第三者に任せたい。
  • 義両親は高齢かつ遠方在住のため、手続きの負担は最小限にしたい。
  • 配偶者を亡くし、今後の生活が不安なので、できれば多めに相続させてもらいたい。

当事務所からのご提案

お子様がいない夫婦に相続が発生すると、配偶者と共に存命の父母が相続人になります。

配偶者を亡くした悲しみの中、財産の分け方について話し合うことは、父母との関係性によっては大変な苦痛を伴います。

このケースでは、義両親とは物理的にも離れて暮らしており、あまり交流がなかったため、ご自身でやり取りすることにとても不安を感じていらっしゃいました。

そこで、当事務所で 義父様に連絡を取り、相続手続きについてご協力をお願いし、当人同士の遺産分割の話し合いについてサポートさせていただくことを提案しました。

また、公平に遺産分割を行うためには、財産の詳細を相続人全員が把握しておくことが重要です。

財産の詳細がわからない状態で話をしても、お互いに要領を得ず、不信感を持たれる原因になるためです。今回のように直接会うことが難しい場合はなおさらです。

そこで、話し合いの前提として、当事務所で財産調査並びに財産目録の作成・開示を行い、公平な話し合いのための準備をさせていただくことになりました。

遺産の分け方は法定相続通りでないといけない?

今回、ご相談様は配偶者をなくされたことで、今後の経済事情にも強く不安を感じており、できれば法定相続分より多めに相続させてほしいとの希望をお持ちでした。

相続人全員の合意があれば、遺産はどのように分けても問題ありません。

中には事情を汲んで辞退される方もいるので、多く相続させてほしいとお願いしてみるぐらいはいいかも知れません。

しかし、話がこじれて遺産分割調停や審判になってしまうと、ほぼ法定相続どおりの分け方になってしまうことがほとんどなので、「自分の希望を必ず通す」ことにこだわりすぎるのは得策ではありません。

そこで、当事務所からのご連絡の際に、ご相談者様の使者として「多く相続させていただけると大変ありがたいが、受け入れられないなら法定相続できちんと分けるつもりである。」とお言伝させていただくことになりました。

このように解決しました

  • 義父様に連絡を取り、相続手続きについてご説明をし、手続きへの協力をお願いした結果、応じてもらえることになりました。
  • 金融機関や不動産について漏れなく調査を行い、財産目録を作成して相続人の皆様に開示しました。
  • ご相談者様からのお言伝として、相続についての希望をお伝えしたところ「事情は分かるが法定相続通りに分けたい」と回答がありました。
  • 話し合いの結果、法定相続ベースで分けることでまとまったため、遺産分割協議書を作成し、署名捺印をいただきました。
  • 戸籍収集、預金の解約及び分配、株式の移管、相続登記等その他の必要な手続きも代行し、ご相続人様の負担なく完了させる事ができました。

担当者からのコメント

このケースのようにお子様がいないご夫婦で、配偶者を亡くされた場合、父母がご存命であれば、財産の分け方について話し合いをしなくてはなりません。

残された配偶者の方は、今後の生活のことを考えて、できれば法定相続分より多くの財産を相続させてもらいたいと希望されることも多いのですが、現実は厳しいとお考え下さい。

義父母様が辞退されるケースもあることはありますが、多くの場合、このケースのようにきっちり法定相続分どおり分けることになります。

残された配偶者の方が、自分がいなくなった後の生活に困らないように、親とのやり取りで疲弊してしまうことのないように、とお考えであれば、お子様がいないご夫婦は、必ず遺言書を書いておきましょう。

まだ自分たちは若いから・・・とお考えの方々もいるかもしれませんが、人生何が起こるかはわかりません。

少なくとも35歳以上のご夫婦については、万が一の場合に備えて、夫婦がお互いに相続させる旨の「夫婦相互遺言」をすぐにでも作成することを、強く、強くおすすめします。

当事務所では、お子様がいないご夫婦の相続手続きや相続対策・遺言書作成について、数多くのご相談・サポートの実績があります。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

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※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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