相続した土地に他人名義の建物登記が残っていた!どうすればいい?【現存しない他人名義の建物につき建物滅失登記の申出を行うケース】

赤の他人名義の建物登記が残ったまま、どうすればいい?
赤の他人名義の建物登記が残ったまま、どうすればいい?

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

この事件の担当者

司法書士法人東京横浜事務所 代表/司法書士 田中 暢夫


開業以来相続一筋。これまでに担当した事件は1000件を超える。

ご相談前の状況

お父様が亡くなられた方からのご相談。

相続人は妻と子供たち。

遺産として自宅不動産があり、相続登記の依頼を検討しているとのこと。

お話を伺う中で、自宅土地の上に、実際には存在しない他人名義の建物が登記記録上は存在していることが判明しました。

問題点

  • 登記記録上存在するが、すでに現存しない建物について建物滅失登記が必要。
  • 建物の名義人との相続関係がなく、申請適格がないため、建物滅失登記の“申請”はできない。

当事務所からのご提案

建物を取り壊した場合、建物の所有者から建物滅失登記を申請し、登記簿(登記記録)を閉鎖する、というのが本来の流れです。

ところが、建物は取り壊してしまえば存在しない事が明らかなため、滅失登記をしないまま拘置されているケースがたまにあります。

現存しない建物の登記記録のみが残っていることに気付いた場合、将来の売却等の際に支障が出ないように、すぐに滅失登記の手続きを行っておくべきです。

建物滅失登記を“申請”できる人(申請適格者)は、下記のとおりです。

  • 表題部所有者
  • 所有権登記名義人
  • 上記①又は②の相続人その他の一般承継人

相続人は上記③にあたるため、建物の名義人がすでに亡くなっている場合は、相続関係を証する戸籍等を添付すれば滅失登記を申請することができます。

しかし、所有者(所有権登記名義人)が全くの他人で相続関係にない場合、土地の所有者であっても建物滅失登記を“申請”することはできません。

このような場合、土地の所有者は利害関係人として建物滅失登記の“申出”を行う事ができます。

建物滅失登記の申出は、簡単に言うと「私の所有する土地の上に、現存しない他人名義の建物の登記記録が残っているので滅失登記をしてください。」という申出を法務局に行ない、登記官の職権登記の発動を促す、というものです。

申出後、登記官による調査が行われ、現に建物が存在しないという事実確認が取れたら職権で滅失登記がされる、という流れになります。

今回は、登記簿上の建物所有者に全く心当たりはなく、生死や連絡先も不明という状況でした。

そこで、当事務所で戸籍収集や遺産分割協議書の作成含む相続登記手続きを代行させていただくとともに、相続人様ご本人による建物滅失登記の申出をサポートさせていただくことになりました。

このように解決しました

  • 戸籍謄本や遺産分割協議書等の必要書類の収集・手配を行い、相続登記を申請しました。
  • 相続人本人による建物滅失登記の申出について、適切なアドバイスを行い、戸籍等の必要書類手配のサポートをいたしました。
  • その後、登記官の嘱託による建物滅失登記がなされ、登記簿が閉鎖されました。

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担当者からのコメント

建物滅失登記等の表題部登記は、一定期間内に申請をしなければ10万円以下の過料に処すると定められています。

しかし実際に過料が科せられる事はほぼ無いため*、放置されるケースも少なくありません。

*過料の適用については今後厳格化される可能性はあります。

とは言え、存在しない建物の登記が残っているというのは何となく気持ち悪いものです。

何より、売却の際や新たに担保を設定する際には、建物滅失登記を求められることがほとんどです。

建物滅失登記の申出は、それほど難易度の高い手続きではないものの、登記官による調査に時間がかかるため、建物滅失登記の申請よりも時間がかかるのが通常です。

売却や住宅ローンを組む時に慌てなくて済むように、気付いた時に行なっておくべきでしょう。

相続をきっかけに、他人名義の建物の登記記録が存在する事がわかったら、相続登記と併せて建物滅失登記の申出も行っておくことをおすすめします。

当事務所では、建物滅失登記の申出を含む相続手続き全般について、数多くのご相談・サポートの実績があります。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

※建物滅失登記については、提携の土地家屋調査士をご紹介いたします。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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