前妻の子がいる場合の相続の進め方|連絡方法や注意点など【事例あり】

著者情報

司法書士法人東京横浜事務所
代表/司法書士 田中 暢夫
年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。相続案件を中心に、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
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司法書士法人東京横浜事務所
代表/司法書士 田中 暢夫
年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。相続案件を中心に、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
「亡くなった父の相続について、前妻の子と話し合いをするのが不安…」
「前妻の子とは全く面識がないけれど、どうやって相続手続きをすればいいの?」
離婚・再婚歴のあるご家族を持つ方の中にはこのような不安を抱えている方も多いでしょう。
前妻の子のように交流の少ない疎遠な相続人がいる場合、トラブルを避けるためにも相続手続きは慎重に進める必要があります。
本記事では、前妻の子がいる場合の相続手続きの進め方や注意点を解説します。
司法書士田中暢夫一般的な知識の解説にとどまらず、現役の司法書士である筆者が経験した実例に基づく具体的なノウハウを解説しているので参考にされてください。
前妻の子と面識がない場合の連絡先の調べ方や連絡の取り方などについても詳しく解説しているので、本記事を読めば、前妻の子がいる場合の相続に関する不安や悩みが軽減・解消されます。
前妻の子がいる場合の相続関係
亡くなった父と前妻の間に生まれた子供は、亡父の法定相続人となります。
まずは、前妻の子がいる場合の相続関係がどうなるかを見てみましょう。
民法では、下記のように相続人の優先順位が定められています。
■相続人の相続順位
| 被相続人から見た関係 | 相続順位 |
| 配偶者 | 常に相続人 |
| 子 | 第1順位 |
| 直系尊属(父母、祖父母など) | 第2順位 |
| 兄弟姉妹 | 第3順位 |
※第2順位以降の後順位者は先順位者がいない場合にのみ相続人となる
前妻との子であっても子供であることに変わりはないので、第1順位の相続人になります。
たとえ母親と離婚をしたとしても、父親との親子関係は消滅しないからです。
司法書士田中暢夫なお、前妻は上記のいずれにも当てはまらないため相続人にはなりません。
また、法定相続人にはそれぞれ「法定相続分」という遺産取得割合が定められています。
以下では、前妻の子の法定相続分について、配偶者がいる場合といない場合に分けて解説します。
後妻(配偶者)がいる場合(配偶者と子供が相続人のケース)
亡くなった人に後妻(配偶者)と後妻との子供がいて、別に前妻との子供がいる場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子供達は2分の1を人数で均等割りとなります。
前妻との子でも後妻との子でも子供という立場は同じなので、相続割合は均等です。

後妻(配偶者)がいない場合(子供のみが相続人のケース)
亡くなった人に配偶者がおらず、前妻の子と後妻との子がいる場合、法定相続分は子供の人数で均等割りとなります。
前妻との子でも後妻との子でも子供という立場は同じなので、相続割合は均等です。

司法書士田中暢夫なお、亡くなった時点で子供がすでに死亡している場合、その子供(被相続人から見て孫)がいれば、その方が繰り上がりで相続人になります。(代襲相続と言います。)
法定相続分について、くわしくはこちらをご覧ください。

前妻の子がいる場合、相続手続きに協力して貰う必要があるか
相続手続きを進めるにあたり、前妻の子の協力が必要か否かは遺言書の有無によって異なります。
以下、ケース別に解説します。
遺言書がない場合(遺産分割協議が必要な場合)
遺言書がない場合、前妻の子の協力なく相続手続きを進めることは原則としてできません。
なぜなら、相続人全員で「誰がどんな割合で遺産を相続するか」を話し合う遺産分割協議を行う必要があるからです。
また、法務局や金融機関での相続手続きの際には、前妻の子を含めた相続人全員の署名と実印の押印、並びに印鑑証明書の提出が必要となります。
たとえ前妻の子を除く全員の署名押印があっても、一人でも欠けていれば手続きを進めることはできません。
司法書士田中暢夫前妻の子と疎遠で連絡先すら分からない状態でも、現在の住所を調査して手紙を送るなどして連絡を試み、遺産分割協議や相続手続きに協力して貰う必要があります。
前妻の子との遺産分割協議が必要な場合の相続手続きの進め方については、「5.前妻の子がいる場合の相続手続きの流れ」でくわしく解説します。
遺言書がある場合(遺産分割協議が不要な場合)
法的に有効な遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って財産を引き継ぐことになります。
したがって遺産分割協議は不要になるので、原則として前妻の子に相続手続きに関して協力してもらう必要はありません。
ただし、協力して貰う必要がないからと言って、前妻の子に亡くなった事実や遺言書の存在をまったく知らせないことは、下記の理由からおすすめできません。
- 自筆証書遺言の場合、相続手続きを行う過程で裁判所や法務局から、相続人全員に相続発生と遺言書の存在が通知される。
- 遺言執行者がいる場合、遺言執行者から相続人全員に相続発生と遺言書の存在が通知される。
- 遺言執行者がいない場合、金融機関での相続手続きの際に、別途異母兄弟の同意や確認を求められる可能性がある。
- 子供が親の戸籍を取得することは容易なため、積極的に連絡しなくても、前妻の子が何らかのきっかけで相続発生の事実を知る可能性は高い。
- 相続発生を知った場合、相続人自ら公証役場で遺言の有無や内容を確認することを防ぐことはできない。
- 連絡先を知っているのに連絡をしなかった結果、前妻の子との関係が悪化し、相続トラブルが深刻化する恐れがある。
前妻の子の協力が不要な場合でも、相続が発生したことを知られる可能性は高い
上記のとおり、たとえ遺言書があり前妻の子の協力が必要ない場合でも、相続人への通知や自発的な調査等により、前妻の子が相続発生の事実や遺言書の内容を知る可能性は高いです。
また、遺言書が前妻の子に全く相続させない内容であったとしても、後述する遺留分の問題がある以上、前妻の子と何らかの接触を持つ可能性は高いため、できるだけ関係性を悪化させることは避けるべきです。
何より、いくら疎遠であっても、親が亡くなったのに何も知らせないというのは、道義的に問題があります。
後により大きなトラブルになるリスクを考えると、連絡先が分かるのであれば、少なくとも死亡の事実は早めに伝えてあげるべきでしょう。
■遺留分とは
遺留分とは、一定の法定相続人に保証された遺産の最低限の取り分のことです。
遺留分を侵害された(最低限の遺産をもらえなかった)相続人は、遺留分を侵害している人に対して、遺留分侵害額相当の金銭の支払いを請求する「遺留分侵害額請求」を行うことができます。
したがって遺言書により前妻の子がもらえる財産が、遺留分相当額(法定相続分の2分の1)を下回る場合、いずれ遺留分侵害額請求を受ける可能性が高いです。
たとえ相続手続きが無事完了したとしても、ある日突然前妻の子から連絡が来て、金銭の支払いを求められることがあるという事です。
なお、遺留分の請求には期限があり、遺留分侵害の事実を知ってから1年または相続開始から10年経つと、時効により遺留分の請求はできなくなります。
しかし、前妻の子は戸籍さえあれば簡単に公証役場等で遺言書の有無や内容を確認することができるため、10年もの間やり過ごすのは難しいでしょう。
事例で解説・前妻の子がいる場合の相続手続きはこんなに大変
前妻の子がいる場合の相続手続きは、相続人同士の微妙な関係性からトラブルになりやすいです。
特に遺言書がない場合は、相手の立場にも配慮して慎重に手続きを進める必要があります。
以下では、前妻の子が相続人となるケ―スで起こった問題と、それをどのように解決したかを解説します。
事例① 養子と実子、前妻の子と後妻の子で話し合いをしなければならないケース

【事例の概要】
お父様が亡くなられた方からのご相談。
ご相談者様は後妻との子供。
相続人として他に前妻との子1人と、後妻の連れ子を養子縁組した養女が1人いるという複雑な関係。
それぞれ連絡はとれるものの、相続人同士の関係が微妙なため、相続手続きを進めるにあたり不安があるという事で相談にいらっしゃいました。
なお、相続人のうちの一人は、財産はいらないので相続放棄をしたいというご意向でした。
【法定相続割合】
| 法定相続人 | 法定相続分に基づく相続割合 |
| 子A(前妻の子) | 1/3 |
| 子B(後妻の子) | 1/3 |
| 子C(後妻の子・養子) | 1/3 |
【問題点】
- 疎遠な相続人と連絡を取り、遺産分割協議をまとめなければならない。
- 相続を希望されない方について、3か月以内に相続放棄の申立てをしなければならない。
- 離れて暮らしている相続人と連絡を取り、相続登記や相続預金の解約・分配を行わなくてはならない。
【このように解決しました】
上記の状況及び問題点を受けて、当事務所で下記のとおりサポートを行い、解決しました。
- 戸籍の収集、残高証明書の取得等の必要な調査を行った上で、財産目録の作成を行い、遺産分割協議の前提となる資料を整えました。
- 相続放棄を希望された方について、家庭裁判所での相続放棄手続きのサポートを行い、無事相続放棄が認められました。
- 郵送等によるやり取りで、各相続人の意向確認をさせていただいた結果、無事話し合いがまとまり、署名捺印をいただくことができました。
- 遺産分割協議成立後に、不動産の名義変更や相続預金の解約・分配までを行いました。
- 公平な第三者が間に入ることで、相続人の皆様の負担や不満なく手続きを終えることができました。
司法書士田中暢夫このケースのように相続人同士連絡が取れるが関係性が微妙な場合は、公平な第三者が間に入ることで、相続人の誰かが主導することによる負担や不満を防止することができます。
この事例の詳細についてはこちら

事例② 相続税申告期限まで3か月しかない状態で、前妻の子と後妻で話し合いをまとめなければならないケース

【事例の概要】
亡くなられたのはお父様。
相続人は妻と、前妻との子供4人。
不動産や金融資産等が多数あり、財産調査だけでもかなりの工数が必要にも関わらず、後妻と前妻の子という微妙な関係性のため手続きが全く進んでいない状態。
相続税の申告期限まで3か月と少ししか残されておらず、銀行預金の解約手続きを済ませなければ納税資金を準備できないというかなり切羽詰まった状況でご相談にいらっしゃいました。
【法定相続割合】
| 法定相続人 | 法定相続分に基づく相続割合 |
| 妻A(後妻) | 1/2 |
| 子B(前妻の子) | 1/8 |
| 子C(前妻の子) | 1/8 |
| 子D(前妻の子) | 1/8 |
| 子E(前妻の子) | 1/8 |
【問題点】
- 相続税の申告に間に合わせるため、多数の金融機関に対する調査を迅速に完了しなくてはならない。
- 相続税の申告期限まで3か月と少ししかないが、後妻と前妻との子の間で遺産分割協議をまとめなくてはならない。
- 相続税の納税資金確保のため、申告期限までに金融機関の解約手続きを完了し、各相続人に分配しなければならない。
【このように解決しました】
上記の状況及び問題点を受けて、当事務所で下記のとおりサポートを行い、解決しました。
- 各金融機関に対して迅速に残高証明書等の請求を行い、遺産分割協議及び相続税申告のための資料を整えました。
- 相続人のお気持ちと今後のことも考えた遺産分割案をご提案した結果、無事話がまとまり、相続人全員の署名捺印をいただくことができました。
- 遺産分割協議成立後すぐに金融機関の解約手続きを行い、申告期限1週間前に各相続人様への振り込みを完了させることができました。
- 税理士とも連携の上、申告期限までに申告書の提出及び納税を完了することができました。
- 不動産の名義変更その他の必要な手続きについてもすべて当事務所で代行し、滞りなく完了することができました。
司法書士田中暢夫このケースのように相続税申期限等の時間的制約がある場合は、相続人間の関係性に配慮しつつも、期限に間に合うようにスケジュールを管理し、迅速に対応する必要があります。

事例③ 全く面識がない前妻の子と連絡を取り、話し合いをしなければならないケース

【事例の概要】
お父様が亡くなられた方からのご相談。
相続人として後妻とその子供(ご相談者様)の他に前妻との子供がいるという関係。
親族を通じて前妻の子の連絡先は把握しているものの、全く面識がないため、やりとりに不安があるとのこと。
現在母が居住している自宅マンションは、そのまま住み続けられるよう相続させてほしいとの希望をお持ちでした。
【法定相続割合】
| 法定相続人 | 法定相続分に基づく相続割合 |
| 妻A(後妻) | 1/2 |
| 子B(後妻の子) | 1/4 |
| 子C(前妻の子) | 1/4 |
【問題点】
- 面識のない前妻の子と連絡を取り、遺産分割協議をまとめなければならない。
- 公平な遺産分割のため、財産調査をしっかり行い、財産目録を作成して開示する必要がある。
- 自宅マンションは現在住んでいる後妻に相続させて欲しいという希望を伝えたい。
- 仕事が忙しく、離れて暮らしているので、自分で手続きを行うのは難しい。
- 後で不満が出ないように、財産の分配も含めて公平な第三者に任せたい。
【どのように解決したか】
上記の状況及び問題点を受けて、当事務所で下記のとおりサポートを行い、解決しました。
- 面識のない前妻の子に連絡を取り、相続手続きや事情についてご説明をしました。
- 手続きへの協力をお願いした結果、無事応じてもらえることになりました。
- 自宅マンションについてのご希望は、お言伝の形で取次ぎさせていただきました。
- 不動産や金融資産について漏れなく調査を行い、財産目録を作成して相続人の皆様に開示しました。
- 話し合いの結果、法定相続をベースに、不動産は後妻が取得し、金融資産の取得額で調整することでまとまりました。
- 合意内容に基づき、遺産分割協議書を作成し、署名捺印をいただきました。
- 相続預金の解約及び分配、相続登記など、その他の必要な手続きもすべて代行し、ご相続人様の負担なく完了させることができました。
司法書士田中暢夫このケースのように全く面識がない相続人がいる場合、しっかりと財産調査を行い、開示しなければ、不信感を持たれ、話し合いが決裂してしまう可能性が高いです。

前妻の子との遺産分割協議をトラブルなく進めるための注意点
先の事例でもわかるように、遺言書がなければ前妻の子との話し合い(遺産分割協議)が必須となります。
前妻の子との遺産分割協議をトラブルなく進めるために、特に気を付けたい点は下記の4つです。
- 早めに相続発生の連絡をする
- 相続財産目録を作成して財産の内容を開示する
- 面識がない場合はファーストコンタクトが重要
- 法定相続分で分けることが原則
以下、詳しく解説します。
早めに相続発生の連絡をする
「前妻の子とは何年も会っていないし、いずれ遺産分割のために連絡をするのだから、わざわざ相続発生の連絡だけをする必要はないのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、連絡先がわかるのであれば、早めに連絡をしましょう。
前妻の子が亡父にどのような感情を抱いているかはわからないことがほとんどでしょうが、一般的に考えて、自分の親が亡くなったという事実は早めに知らせてあげるべきでしょう。
お互いに連絡先を知っているにも関わらず、亡くなって数か月経ってから遺産相続についての連絡が来たら、「相続するために仕方なく連絡してきたんだな」と不信感を持たれても仕方ありません。
感情のもつれから「争族」に発展してしまうと、解決のためには多大な労力がかかります。
前妻の子との関係性にもよりますが、できれば遺産分割についての話し合いの前に連絡を取り、相続が発生したことを伝えた方がいいでしょう。
司法書士田中暢夫連絡先がわからない場合はすぐに連絡できなくても仕方ありませんが、その場合でも、事情があったとはいえすぐに連絡できなかったことをお詫びするなど、相手方の心情に配慮することを心がけましょう。
相続財産目録を作成して財産の内容を開示する
前妻の子と遺産分割協議を行うにあたっては、財産の内容はもれなく開示することを心がけましょう。
財産の開示を十分に行わないまま話し合いをしようとしても、「他に隠している財産があるのでは」と不信感を持たれ、まとまる話もまとまらなくなってしまいます。
また、隠すつもりは無くても、後で財産が見つかった場合、再度やり取りをして遺産分割協議を行うことになるため、相手方にも迷惑がかかります。
そのようなトラブルを避けるために、財産についてはきちんと調査を行った上で、相続財産目録を作成し、資料と共にきちんと相手方に開示しましょう。
面識がない場合はファーストコンタクトが重要
事例③のように、前妻の子と面識がない場合、快く手続きに協力してもらうためには、最初の連絡がとても重要になります。
間違ってもいきなり遺産分割協議書や相続手続依頼書などの書類を送りつけて、署名捺印を求めたりしてはいけません。
よく知らない相手からいきなりそのような連絡が来たら、「なんて失礼な人だ」と思われても仕方ありません。
当事者同士の話し合いが難しいという事で弁護士を付けての交渉となってしまうと、解決までの期間が長引き、費用も高くつくことになるので誰も得しません。
「5-7.前妻の子に連絡を取る」の文例のように、丁寧に事情を説明し、相手方の立場にも配慮しつつお願いする内容であれば、少なくとも失礼な印象を与えることは無いでしょう。
司法書士田中暢夫筆者は手紙が送られてきた方からの相談も受けたことがありますが、話し合いが難航するケースでは「最初の連絡の際に一方的で失礼な印象を受けた」ということで不満を感じている方が多いです。
法定相続分で分けることが原則
遺言書がない場合は、法定相続分どおり遺産を分けるのが原則です。
亡父と前妻の子が何年も会っていないような疎遠な関係性であっても、すべての財産を当然に現在の家族が相続できるわけではありません。
前妻の子と話し合った結果、現在の家族が多く相続することは問題ありませんが、「本来は法定相続分で分け合うのが原則であり、提案が受け入れられないならきちんと分ける」という心づもりは必要でしょう。
司法書士田中暢夫話がこじれて遺産分割調停や審判になってしまうと、よほどの事情がない限り、結局法定相続どおりの分け方になってしまうことがほとんどなので、多く相続することにこだわりすぎるのは良策とは言えません。
前妻の子がいる場合の相続手続きの流れ
前妻の子がいる場合の相続手続きは、手順に従い慎重に手続きを進めることが重要です。
ここでは、特に慎重な対応が必要な「前妻の子とほとんど面識がなく、連絡先もわからない」ケースをもとに手続きの流れを解説します。
遺言書がある場合、前妻の子との話し合いが不要になる可能性があるため、まずは遺言書の有無を確認します。
亡くなった人の自宅や貸金庫等を調べるのはもちろんですが、公証役場や法務局で一括調査することもできるので、念のため調査しておきましょう。
遺言書の有無の確認方法について、くわしくはこちらをご覧ください。

相続手続きを進めるにあたり、戸籍謄本は必ず必要になります。
特に遺言書がない場合、遺産分割協議に法定相続人全員が参加する必要があるため、亡くなった人や相続人の戸籍謄本を集めて、誰が相続人になるかを早めに確認しておくことが重要です。
司法書士田中暢夫戸籍が集まったら、「法定相続情報一覧図」を取得しておくと、後の手続きがスムーズに進みます。

STEP2の戸籍を取得する中で、前妻の子の記載を見つけ「除籍*」になっている場合は、父の戸籍から出て行った先の新しい本籍地に戸籍を請求します。
*除籍…死亡、婚姻、離婚、転籍等の理由により、その戸籍からいなくなること
新しい本籍は前妻の子に関する記載事項の一番最後あたりに記載されています。
新しく取得した戸籍を確認し、転籍等によりさらに新しい戸籍が存在する場合は、最新の戸籍(現在の本籍地)に辿り着くまで戸籍請求を繰り返します。
前妻の子が除籍になっていなければ、その戸籍が現在の本籍地なので、STEP4に飛んで前妻の子の戸籍の附票を請求します。
除籍になっているかについては下記の部分で確認できます。
- 最近の戸籍・・・名前の横に「除籍」と記載されている。
- 古い戸籍・・・名前の所に×が付いている。
前妻の子の現在の本籍地がわかったら、その本籍地の市区町村役場に戸籍の附票を請求します。
戸籍の附票には住所の変遷が記載されており、一番上に記載されているのが現在の住所です。
司法書士田中暢夫前妻の子の住所や居所がわかっている場合は、この手順は省略して大丈夫です。
■戸籍の附票の見本

連絡先が分からない相続人の住所の調べ方についてくわしくはこちらをご覧ください。

前妻の子との話し合いにあたり、遺産分割の対象となる財産を確定するために、相続財産の調査を行います。
具体的には、金融機関等に請求を行い、残高証明書などの財産の評価額を客観的に証明できる資料を取得します。
取得する資料は財産の種類によって異なりますが、主な例としては以下のとおりです。
| 財産の種類 | 取得する資料 |
| 不動産 | 登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産税評価証明書、名寄帳 |
| 預貯金 | 残高証明書、(必要に応じて)取引履歴 |
| 株式、投資信託など | 残高証明書等 |
| 保険契約 | 相続評価額証明書、契約内容の案内等 |
この作業をせずにいきなり連絡を取ってしまう方もいるのですが、財産の詳細がわからない状態で話をしても、お互いに要領を得ず、不信感を持たれる原因にもなるので、財産調査は事前に必ず行っておきましょう。
司法書士田中暢夫なお、残高証明書等は必ず「相続開始日時点のもの」を取得してください。
相続財産の調査方法について、くわしくはこちらをご覧ください。
相続人及び相続財産の調査が完了したら、調査結果をもとに相続関係説明図と財産目録を作成しましょう。
相続関係説明図や相続財産目録の作成は法律上の義務ではありませんが、前妻の子との話し合いの際に認識を共有するためにも、作成することをおすすめします。
司法書士田中暢夫きちんとした資料を提示して話し合う姿勢を見せることで、余計なトラブルを回避することができます。
■相続関係説明図の見本

相続関係説明図とは、亡くなった方の相続関係を家系図のような形でわかりやすく説明したものです。
法定相続情報一覧図とほぼ同一の内容なので、取得済みであればそちらで代用も可能です。
■相続財産目録の見本

相続財産目録は、相続財産の種類、数量、金額等を一覧表の形式でわかりやすくまとめたものです。
形式に決まりはありませんが、パソコン(エクセル等)で作成すると編集が容易です。
相続財産目録のひな型や作成方法についてくわしくはこちらをご覧ください。

相続財産目録等の準備が整ったら、戸籍の附票等で確認した前妻の子の現住所に手紙を送り、連絡を試みます。
相手から手続きに協力する旨の返事があれば、遺産分割協議や相続手続きを進めることができます。
司法書士田中暢夫もともと前妻の子と連絡が取れる関係であれば、この手順は省略して大丈夫です。
手紙の内容は、下記の文例を参考にしてみてください。
■前妻の子への手紙の文例

連絡先・居場所が分からない相続人がいる場合の対処法についてくわしくはこちらをご覧ください。

前妻の子に相続手続きに協力してもらえる場合、相続人全員で遺産の分け方について話し合います。
遺産の分け方は相続人全員の合意があれば自由に決めて構いませんが、基本的には法定相続分がベースになると考えておきましょう。
司法書士田中暢夫前妻の子から協力しないと返事が来た場合や、何度連絡をしても返事がない場合は、遺産分割調停・審判によって遺産の分け方を決めることになります。
下記の記事も参考にしてください。


遺産の分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名押印を貰います。
この後の相続手続きでは遺産分割協議書とあわせて印鑑証明書も必要になるので、一緒に提供してもらいましょう。
司法書士田中暢夫金融機関での相続手続きの際には、発行後6か月以内(3か月以内の場合もあり)の印鑑証明書を求められることがほとんどなので、新しく取得したものを提供してもらいましょう。
遺産分割協議書の作成方法についてくわしくはこちらをご覧ください。

遺産分割協議書と印鑑証明書が揃ったら、預貯金口座の解約や不動産の名義変更手続きを行っていきます。
印鑑証明書の期限切れによる再取得の手間が生じないよう、速やかに手続きを終わらせましょう。
解約した預貯金について、代表者がまとめて払戻しを受け、後で各相続人に分配する場合は、金融機関からの振込額や各相続人への分配額を記載した計算書を作成し、手続き完了の報告と共に送付しておきましょう。
司法書士田中暢夫完了後の連絡や書類の開示がないことが原因でトラブルになることもあるので、余計な火種を抱えないように最後まできちんと対応しましょう。

遺産総額が相続税の基礎控除額【3,000万円+(600万円×法定相続人数)】を超える場合は、相続税の申告・納付を行います。
申告・納付期限は故人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。
配偶者控除や小規模宅地等の特例等の税制上の優遇措置を受けるためには、遺産分割協議も10か月以内に終わらせる必要があるので注意しましょう。
前妻の子がいる場合は生前対策として遺言書を作成しておく
前妻の子がいる場合の相続は、相続人同士の微妙な関係性からトラブルに発展しやすいですが、生前に遺言書を作成しておくことで、トラブルになる可能性を大きく減らすことができます。
本記事で解説したとおり、何も対策をしないまま相続が発生すると、現在の家族に「前妻の子と連絡を取り、遺産分割について話し合う」という大きな負担がかかります。
前妻の子とのやり取り自体が心理的な負担になるという事もありますが、遺産分割協議が調わないために預貯金の払戻しができない、トラブル解決のための弁護士費用がかさむ等、経済的負担にも大きな負担をかける可能性があります。
残された家族にそのような負担をかけないためにも、前妻の子がいる場合は、生前に遺言書を作成しておきましょう。
「2-2.遺言書がある場合(遺産分割協議が不要な場合)」で解説したとおり、遺言書があれば前妻の子の協力なく、手続きを進めることが可能です。
司法書士などの専門家を遺言執行者に指定しておけば、相続人自ら前妻の子とコンタクトを取る必要もありません。
前妻の子にも遺留分相当の財産を相続させる内容であれば、トラブルになる可能性は限りなく低いでしょう。
司法書士田中暢夫前妻の子としても、自分の貰う財産が最低限保証されていれば争う実益はないので、穏便に済ませたいことがほとんどでしょう。
また、「現在の家族に財産を多く遺したいので、前妻の子にはできるだけ相続させたくない」と考えている方は、遺言書の作成に加えて生命保険や生前贈与を活用して遺留分対策を行うことを検討しましょう。
いずれにしても、残された家族に大変な思いをさせたくないのであれば、生前対策として遺言書を作成することを強くおすすめします。
前妻の子に財産を相続させたくない場合の対策についてはこちらをご覧ください。
前妻の子がいる場合の相続は専門家に相談を
ここまで解説したとおり、前妻の子がいる場合の相続手続きは、一般的なケースに比べて慎重に進めていく必要があります。
特に前妻の子と面識がない場合は、住所の確認や財産内容の開示など手間のかかる作業が多く、自分たちだけで進めるのはとても大変です。
司法書士などの専門家であれば、前妻の子との連絡・調整を含む相続手続きをまるごと代行することが可能です。
また、一度揉めてしまうと当事者同士で解決するのはなかなか難しく、最終的にはお互い弁護士を付けての交渉となり、解決までの期間が長引き費用も高くつくことになり、お互いに損をする結果となってしまいます。
司法書士などの第三者が関与することで、穏便な話し合いと公平な手続きが実現できるという点でも、前妻の子との相続手続きを専門家に相談・依頼するメリットはあります。
司法書士田中暢夫面識のない相続人がいるようなケースの経験が豊富な専門家は意外と少ないので、ホームページで実際の事例を公開している場合は参考にするといいでしょう。
相続で司法書士法人東京横浜事務所が選ばれる理由はこちら

まとめ
本記事では、前妻の子がいる場合の相続について解説しました。
たとえ長期間交流がなくても、前妻の子は被相続人にとって実の子であることに変わりなく、相続手続きを進める際は相手の気持ちに配慮しながら慎重に進めていく必要があります。
また、残された家族の負担を軽減するために遺言書を作成する場合も、遺留分や遺言執行者などについて十分に検討した上で作成しなければ、かえってトラブルの原因となってしまいます。
相続人に前妻の子がいて、今まさに相続手続きを進めなくてはいけない方、将来の相続に不安を抱えている方は、一度相続に精通した司法書士などの専門家に相談されることをおすすめします。
記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。
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